2003 Fiscal Year Annual Research Report
病態解析のための糖尿病シミュレーションモデルの構築
Project/Area Number |
14780647
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
内藤 泰宏 慶應義塾大学, 環境情報学部, 専任講師 (50327714)
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Keywords | 細胞シミュレーション / 糖尿病 / E-CELL / 肝臓 / バイオインフォマティクス / システム生物学 |
Research Abstract |
(1)巨視的コンパートメントモデルの構築:個体レベルでの血糖調節を巨視的にシミュレートするための数理モデルを構築した。モデルは大きく、インスリン分泌、インスリンの体内動態、グルコースの体内動態、肝での糖代謝、肝臓以外の器官での糖代謝を表現するコンパートメントからなり、グルコース濃度とインスリン刺激の伝達によって相互に連結されている。このモデルを用いて、グルコース負荷試験のシミュレーションを行い、'典型的な健常者の試験結果を再現するパラメータセットを得た。パラメータ探索には、実験的手法は用いず、遺伝的アルゴリズムを用いた最適化手法を用いた。現在、糖尿病の代表的な病態のシミュレーションに取り組んでいる。 (2)微視的細胞、組織モデルの構築:微視的な細胞モデルと、巨視的な個体モデルを連動させるための技術開発を行った。精密な細胞モデルを構築したとしても、細胞の集合である組織、器官をその単純和とすることはできない。細胞モデルを基盤として、合理的に組織、器官モデルを構築することが、精密な病態シミュレーションには欠かせない。肝臓を対象として、細胞モデルの集合として、肝小葉を表現する手法を開発した。以前より議論のある、肝小葉におけるmetabolic zonationのひとつのモデルを構築した。シミュレーション結果は、既報の知見をよく再現した。このモデルによって、少ない計算コストで、肝細胞モデルから肝臓モデルへの応用の可能性が拓けた。また、本モデルは、多細胞生物の進化を考察する上でも有用と考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 内藤泰宏: "細胞シミュレーションは何をもたらすか?"分子心血管病. 4(5). 470-476 (2003)
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[Publications] Takahashi K, Ishikawa N, Sadamoto Y, Sasamoto H, Ohta S, Shiozawa A, Miyoshi F, Naito Y, Nakayama Y, Tomita M: "E-Cell 2 : multi-platform E-Cell simulation system"Bioinformatics. 19(13). 1727-1729 (2003)
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[Publications] 内藤泰宏, 冨田勝: "より高精度な細胞シミュレーションの実現に向けて"最新医学. 58(6増刊). 1606-1616 (2003)
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[Publications] 内藤泰宏, 冨田勝: "細胞シミュレーションで生物のシステムに迫る"科学. 73(4). 447-448 (2003)