2014 Fiscal Year Annual Research Report
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14F03386
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
芦苅 基行 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 教授 (80324383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GAMUYAO Rico 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 浮きイネ / 環境適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
浮きイネは、アジアの洪水地帯に適応したイネで、雨季の多雨により水位が上昇した場合、茎を伸長させ水面に出た葉から酸素を得ることにより、洪水環境下で生き抜くことができまる。一般的なイネはこの能力を保持しておらず、本研究では浮きイネの深水依存的な節間伸長の分子メカニズムの解明を進める。浮きイネの深水依存的な節間伸長を司る遺伝子の同定をポジショナルクローニング法を用いて進め、遺伝子の候補領域に1つの遺伝子を見いだした。この遺伝子は、浮きイネの深水条件においてのみ高発現し、機能未知の新規ペプチドコードしていた。この遺伝子をイネで過剰発現したところ、ジベレリン依存的に節間伸長した。また、他の単子葉植物で過剰発現したところGA非依存的に節間伸長を誘導した。またRNAiにより遺伝子の発現を抑制したところ、節間伸長の抑制が認められた。以上の結果より、この遺伝子が浮きイネの深水依存的な節間伸長を制御する遺伝子であると結論した。また、この遺伝子の細胞内局在性を観察したところ細胞質と核に局在することが明らかになった。 また、浮きイネの深水依存的な節間伸長を誘導する染色体領域を見いだす為に、ゲノムアソシエーション解析を進めた。まず、様々な浮きイネや一般的なイネを育成後、6葉齢と10葉齢にて1週間深水処理し、節間と草丈を計測した。さらに各個体よりDNAを抽出しアフィメトリック社の44K-DNAアレイを用いて遺伝型の解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子の同定も進むとともに、新規な遺伝子領域の検出実験も順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
同定した遺伝子の機能解析を行う為にqRT-PCR法を用いて発現場所を明らかにするとともにタンパク質の局在場所を抗体染色法を用いて明らかにする。また酵母two-hybrid法等の生化学的手法を用いて相互作用するタンパク質を同定する。また、ゲノムアソシエーション解析においては、これまでに得られた表現型と遺伝型情報を統合し、浮きイネの深水依存的な節間伸長を司る遺伝子の検出を目指す。
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