2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14F04027
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
長嶋 泰之 東京理科大学, 理学部, 教授 (60198322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHIARI LUCA 東京理科大学, 理学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 陽電子 / ポジトロニウム / ポジトロニウム負イオン / ビーム / 内殻イオン化 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年我々は、陽電子1個と電子2個の束縛状態であるポジトロニウム負イオンを生成して電場で加速し、レーザー光を照射して電子を光脱離させることによって、エネルギー可変ポジトロニウムビームを生成することに成功した(Michishio et al., Appl. Phys. Lett. 100 (2012) 254102)。この手法は、電気的に中性であるために加速ができないポジトロニウムのビーム生成法として注目されている。本研究課題は、このようにして生成したエネルギー可変ポジトロニウムビームを用いて、ポジトロニウム衝撃による内殻イオン化の研究を行うものである。 電子などの粒子線を十分加速して原子に衝突させると、内殻の励起が起こって特性X線が放出される。入射粒子が陽電子の場合には、内殻イオン化断面積が電子入射の場合よりも小さくなる(Nagashima et al., Phys. Rev. Lett. 29 (2004) 223201)。これは原子核とのクーロン反発のために陽電子が内殻に近づきにくくなるためで、特に入射エネルギーが閾値付近の場合に顕著である。本課題では、入射粒子が電子と陽電子の束縛状態であるポジトロニウムの場合にはどうなるか調べる研究を行った。 この研究を遂行するためには、径が小さく輝度の高いポジトロニウムビームが必要である。そこで、新たなエネルギー可変ポジトロニウムビーム装置の開発を行った。陽電子溜め込み装置を利用したパルス状陽電子ビームを収束させ、ポジトロニウム負イオン生成に厚さ100nmのタングステン薄膜を用いることによって、大幅な輝度の向上に成功した(Michisio, Chari, et al., 論文執筆中)。 内殻イオン化の測定は目前である。Luca Chiariは、今後は東京理科大学の研究員としてこの研究を継続することになっている。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)