2014 Fiscal Year Annual Research Report
スーパーキャパシタ用制御可能な細孔構造を有する大容量金属酸化物膜電極の創生
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14F04064
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
官 国清 弘前大学, 北日本新エネルギー研究所, 准教授 (90573618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JAGADALE Ajay 弘前大学, 北日本新エネルギー研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | スーパキャパシタ / 動電位電着法 / 比静電容量 / エネルギー密度 / パワー密度 / 有機金属フレームワーク / 金属酸化物 |
Outline of Annual Research Achievements |
動電位電着法を用いて柔軟な炭素繊維(CF)紙の上に均一なナノフレーク状の水酸化コバルトを担持させることに成功した。得られたナノフレークは集電体との密着性が高くかつ良好な電気特性を示したほか、多孔質ナノ構造を持つ水酸化コバルトは電極中のイオン拡散及び電荷移動抵抗を低減できることを見出した。電極の電気化学的特性に対してナノフレークの担持量の影響を調べた結果、 0.93g/ cm2担持量を持つ電極は5 MV/sの走査速度で406 F / gの比静電容量と、1 A/ gの電流密度で28.3 Wh/ kgのエネルギー密度及び483 W / kgのパワー密度を達した。また、5000サイクルの安定性試験で82%の初期静電容量を維持することができた。このフレキシブルかつ軽量の電極は柔軟なスーパーキャパシタの製造に利用できると考えられる。 また、キャパシタのエネルギー密度及びパワー密度を高めるため、コバルト有機金属フレームワーク(MOF)をテンプレートとして二段焼成する方法より、高比表面積を持つCo3O4粉末の合成に成功した。これからは得られたCo3O4粉末を用いてスーパキャパシタ用電極の開発を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H26は研究計画通り、新規動電位法の開発により、柔軟な炭素繊維(CF)紙の上に均一なナノフレーク状の水酸化コバルトを担持させることに成功した。更に、キャパシタのエネルギー密度及びパワー密度を高めるため、コバルト金属有機構造体(MOF)をテンプレートとして高比表面積を持つCo3O4粉末の合成も成功し、研究開発はおおむね順調に進展していると言える。これからはより高い比表面積を持つナノポーラス材料(MnO2, NiO及びCuOなど)の合成に挑戦し、高性能のスーパキャパシタ用電極の開発を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
高エネルギー密度と高パワー密度を同時に達成するために、新規多孔質擬似容量材料開発のほか、電極の多孔質構造内の電解質移動抵抗及び電極材料と集電体間の接触抵抗のさらなる低減などを検討する必要があり、多孔質構造の精密制御によりイオン拡散チャネルの最適化及び接触抵抗の低減につながる。そのため、有機金属フレームワーク(MOF)をテンプレートとして金属酸化物の多孔質構造を精密的に制御することができると考えている。また、二段焼成方法を改良し、最適な細孔サイズ分布及び高い表面積を持つ様々な金属酸化物を合成し、高性能のスーパキャパシタ電極に応用する。
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Research Products
(1 results)