2014 Fiscal Year Annual Research Report
細菌感染における病原性と薬剤耐性のメタゲノミック検出システムの開発
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14F04100
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安永 照雄 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (20260630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
COSENTINO Salvatore 大阪大学, 微生物病研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | メタゲノム / 感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は次世代シークエンシングによるメタゲノム解析を応用し、病原体の種類に依存しない網羅的な感染症診断「メタゲノミック診断法」の研究開発を行っている。これまでにこの方法を用いて、咽頭スワブ検体からインフルエンザウイルス、便検体からノロウイルス、血液検体からC型肝炎ウイルス等の直接検出に成功してきた。また従来法では原因不明であった下痢症例において病原細菌カンピロバクターの検出にも成功している。これまでの経験により、明らかになった課題は病原性の判別である。ある肺炎の例ではメタゲノムデータの大部分を肺炎連鎖球菌が占めており、細菌性肺炎が疑われたが確定には至らなかった。我々が取り扱うサンプルは抽出済みの核酸が多く、臨床検体そのものが保存されていない場合が多い。この場合培養法などの従来法を適用できず確定までの実験が不可能である。現状、カンピロバクター等の通常腸内に存在しない細菌の場合と異なり、常在菌と区別する必要がある病原性細菌についてはメタゲノム解析のみでは判断することができていない。本研究では病原性細菌の網羅的な検出と、その薬剤耐性が判別できる解析システムの構築を目指す。病原性と非病原性の遺伝子データベースを作成し、メタゲノム解析により得られたデータを用いてその判別を行う。検出から病原性判定、また薬剤耐性遺伝子候補を自動的に抽出し、その耐性を自動的に注釈付けを行うシステムを開発し、その有用性を実際の臨床検体のメタゲノムデータにより検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、メタゲノムデータから病原体同定に必要の無い情報を削除し、その後、病原体由来の遺伝情報を検出して、マッピングするシステムまでを開発した。大量データに対応できる高速化にも取組み、HiSeqクラスのデータに対応できるシステムを構築した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後においては病原性判定や耐性遺伝子の注釈付けに取り組む。また臨床検体由来データを取得して、システム全体の検証を行う予定である。
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