2015 Fiscal Year Annual Research Report
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14F04326
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中家 剛 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50314175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CAO SON 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | ニュートリノ / ニュートリノ振動 / CP対称性の破れ / T2K実験 / スーパーカミオカンデ / 前置ニュートリノ検出器 / ニュートリノ反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
T2K実験は現在、当初予定した7.8e21POTを超えて20e21POTまでデータ収集を延長する可能性について議論を進めている。この20e21POTのデータを用いてニュートリノ振動解析を行った時、粒子・反粒子対称性の破れの探索の感度がどの程度向上するかを見積もり、その意義を明らかにした。この結果は、T2K実験の今度の方向性を決定するのに重要なインプットになる。またT2K前置検出器のひとつであるニュートリノビームモニター(以後INGRID)のデータを用いて、ニュートリノと原子核の荷電カレントコヒーレントパイオン生成反応断面積の測定を進めており、ニューラルネットワークを用いた新しい解析手法を開発中である。 Cao氏は、T2K前置検出器全体の運転責任者としてJ-PARC(茨城県東海村)に滞在した。検出器全体の状況の把握、トラブルへの対処、運転スケジュールの決定を行い、高品質なデータ収集を実現した。またINGRIDの責任者として、ニュートリノビームの方向と強度を測定し、その安定性を保証した。これは、T2K実験のすべての解析の基礎となる重要な仕事である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたINGRIDの責任者としての仕事とニュートリノビームモニターINGRIDのデータを用いたニュートリノ反応断面積の測定に加えて、T2K前置検出器全体の運転責任者としての仕事とT2K実験の運転を延長したときに期待される物理成果の見積もりを行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
T2K実験の2016年夏までのデータを用いてニュートリノ振動解析を行い、ニュートリノにおける粒子・反粒子対称性の破れの探索を行う。またINGRIDのデータを用いたニュートリノ反応断面積の測定を論文にまとめる。 Cao氏は、引き続き、T2K前置検出器全体の運転責任者、ニュートリノビームモニターINGRIDの責任者を継続して続け、T2Kが安定して高品質なデータをとれるように尽力する。
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Research Products
(4 results)