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2014 Fiscal Year Annual Research Report

新規モリブデン系およびタングステン系ガラスの開発と機能性結晶化ガラスの創成

Research Project

Project/Area Number 14F04346
Research InstitutionNagaoka University of Technology

Principal Investigator

小松 高行  長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60143822)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) ALEKSANDROV Lyubomir  長岡技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
Project Period (FY) 2014-04-25 – 2016-03-31
Keywordsニューガラス / 結晶化 / ラマン散乱スペクトル / レーザーパターニング / 光学的塩基度
Outline of Annual Research Achievements

新規モリブデン系およびタングステン系ガラスの開発と機能性結晶化ガラスの創成に関し、以下の成果が得られた。
1)(50-x)MoO3-xWO3-25La2O3-25B2O3 (x=0, 10, 20, 30, 40 50)組成の新規ガラスを通常の溶融急冷法で作製した。いずれの組成においてもガラスが得られた。ガラス転移温度(Tg)は557-596oC, 結晶化ピーク温度(Tp)は650-740oCであり、MoO3をWO3で置換していくと、TgとTpは共に増大した。また、結晶化に対する熱的安定性もWO3の置換量と共に大きくなった。これらの結果は、ガラス中においても、W-O結合がMo-O結合に比べてかなり強いことを示している(参考:WO3結晶の融点:Tm=1473oC, MoO3:Tm=795oC)。
2) ガラスの熱処理によって出現する結晶相は、MoとWが固溶したLaMo1-xWxBO6相であることをX線回折から同定した。Mo6+のイオン半径(4配位)は、0.041nm、W6+は0.042nmと極めて近いことから固溶体LaMo1-xWxBO6結晶が生成したと考えられる。ガラスにおけるMo6+およびW6+の配位状態をラマン散乱スペクトルで調べ、MoO4, WO4, WO6多面体が存在することを明らかにした。
3)La2O3の一部をSm2O3で置換した40MoO3-10WO3-xSm2O3-(25-x)La2O3-25B2O3ガラス(x=3,5)ガラスを作製し、レーザー照射によって局所的な結晶化が誘起されるかどうかを調べた。現時点では、均一な配向した結晶は得られないものの、結晶化は起きていることをマイクロラマン散乱スペクトルで確認した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

モリブデン(MoO3)系およびタングステン(WO3)系ガラスは、従来のケイ酸(SiO2)系ガラス等とは大きく異なり、大きな電子分極率(高い屈折率)と低融点を示し、新規な機能性ガラスとして期待されているが、新規MoO3系およびWO3系ガラスの開発、構造解明を含めたキャラクタリゼーションは極めて遅れている。また、結晶化を利用した新規な結晶化ガラスの研究も緒に就いた段階である。本研究では、すでに、MoO3およびWO3の両方を含む新規ガラスの創製に成功し、基本的な結晶化挙動を明らかにした。特に、WO3に比べてMoO3を含むガラスが低温において、より構造変化が起きやすいことを明らかにし、このことはレーザーでの結晶パターニングにとって需要な情報である。一方、結晶化では、MoとWが固溶したLaMo1-xWxBO6相が生成することを明らかにし、結晶場設計の多様性を実証して、固溶した希土類イオンの蛍光特性の設計・制御に大きな可能性が期待できる。ラマン散乱スペクトルによりMo6+およびW6+の配位状態を明らかにし、特に、W6+は、Mo6+に比べて高配位数を取る傾向があることを明らかにした。このことは、ガラスの物性評価において、W-O結合とMo-O結合の強度だけではなく、配位数も考慮する必要があることを提案している。また、これまでの結果を踏まえ、レーザーによるLaMo1-xWxBO6結晶相のパターニングに関する研究をスタートさせている。

Strategy for Future Research Activity

今後は、まず、MoO3およびWO3の両方を含む新規ガラスの屈折率、密度、光学的バンドギャップなどの基本物性を測定し、より詳細に新規ガラスのャラクタリゼーションを行って、新規MoO3系およびWO3系ガラスの特徴を明確にする。さらに、レーザーによるLaMo1-xWxBO6結晶から成る結晶ラインパターニングを行う。特に、これまでの予備的な研究から、均質でかつ配向している結晶ラインのパターニングは、かなり難しいことがわかっており、様々なレーザー照射条件下でのラインパターニングと配向を調べる計画である。場合によっては、ガラス組成、特に、MoO3/WO3量とB2O3量の調整も必要と考えている。結晶の同定には、直線偏光を用いたマイクロラマン散乱スペクトル測定、集束イオンビーム加工を組み合せた透過電子顕微鏡観察を行う。なお、レーザーによるガラスでの単結晶パターニングは、小松が世界を先導している研究領域であり、外国人特別研究員のAleksandrov博士に本技術と解析方法を習得させ、レーザー誘起結晶化法の世界的な展開のガラス研究者を育成する。

Remarks

http://mst.nagaokaut.ac.jp/amorph/

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Crystallization behavior of MoO3-WO3-La2O3-B2O3 glasses2015

    • Author(s)
      L. Aleksandrov, T. Komatsu, K. Shinozaki, T. Honma, R. Iordanova
    • Organizer
      日本セラミックス協会2015年年会
    • Place of Presentation
      岡山大学(津島キャンパス)
    • Year and Date
      2015-03-18 – 2015-03-20

URL: 

Published: 2016-06-01  

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