2015 Fiscal Year Annual Research Report
ビザンチン攻撃に対して安全なネットワーク符号化の解析と構成
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14F04347
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高木 剛 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (60404802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHENG CHI 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | ネットワーク符号化 / 準同型署名 / 認証 |
Outline of Annual Research Achievements |
2000年にAhlswede等が発表したネットワーク符号化は、従来の蓄積転送型ネットワークとは異なりネットワーク単位での符号化を設計することにより、データ転送速度の限界値突破や符号化計算量の削減が可能となる画期的な方法である。本研究課題では、ビザンチン攻撃に対して安全なネットワーク符号化を考察し、準同型を有するメッセージ認証符号などを利用した方式の安全性を評価することを目標としている。 本年度は、ネットワーク符号化に対して不正なパケットを発生させる攻撃(multi-generation pollution attack)を考察し、2種類の準同型認証方式(HSS, KEPTE)の脆弱性を指摘した。また、HSSとKEPTEを改良することによりmulti-generation pollution attackに対して耐性のある方式を提案し、計算機実験により計算量および通信コストのオーバーヘッドが十分に小さいことを評価した。本論文は、ジャーナル論文誌 IEEE Transactions on Information Forensics and Security において発表した。 次に、Liu-Wangにより提案されたネットワーク符号化方式を検討し、複数回の署名生成により署名が偽造可能である問題点を示した。本成果は、ジャーナル論文誌 Security and Communication Networks で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、ネットワーク符号化の安全性に関して2編のジャーナル論文誌論文(Security and Communication Networks, IEEE Transactions on Information Forensics and Security)を発表し、国内シンポジウムSCIS2016において講演を1件行い、当初の計画以上の進展している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、格子理論ベースの準同型署名をネットワーク符号化に応用する研究を進める。量子計算モデルにおいて選択平文攻撃を考慮した上で、認証方式の付加情報を利用した攻撃に対して耐性のあるネットワーク符号化を考察する。また、Renyi divergenceにより提案方式の効率化も検討する。格子ベースの準同型認証により、量子計算機に対して安全なネットワーク符号化方式の構成を目指す。
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Research Products
(5 results)