2014 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロヒータ組込み型ゲーティングナノポアデバイスの創製
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14F04355
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷口 正輝 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (40362628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HE Yuhui 大阪大学, 産業科学研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | マイクロ・ナノセンサ / ナノポア / 単分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、マイクロヒータ付きナノポアデバイスを用いて、ヒータの局所温度制御を利用することでナノポア近傍に温度勾配を形成させて、DNAなどの検体分子・粒子のポア捕捉頻度及びポア通過速度の制御を実証することを目的とする。本年度では、ヒータ付きナノポアデバイスの作製プロセスの構築を行った。まず、窒化膜付きシリコンウエハの片面の窒化膜を反応性イオンエッチングにより部分的に除去した。そして基板をKOH溶液に浸し加熱することでSi層を除去し、100マイクロメートル四方の大きさで厚さが50ナノメートルの窒化シリコンメンブレンを形成させた。次にフォトリソグラフィー法を用いてマイクロ電極パターンを描画し、レジスト現像後に高周波スパッタ法による金属蒸着を行った上で基板をジメチルホルムアミドに長時間浸漬することで、レジスト層を除去した。そうして作製されたマイクロ電極の一部を外部マーカーとして用い、電子線リソグラフィー法により10マイクロメートル四方の領域に蛇腹状のナノワイヤパターンを描画後、高周波スパッタ法により金属蒸着を行った。その後、リフトオフすることで白金マイクロヒータを作製した。続いて、CVDプロセスを用いて基板片面をガラスコートした。これにより、マイクロヒータが液面に接した場合も、ヒータ通電時において印加する電圧と電気泳動電圧との干渉を抑制することができる。最後に、電子線リソグラフィープロセスによってナノポアを描画し、現像後のレジストをマスクとして用いて反応性イオンエッチングによる窒化シリコン層の掘削を行うことで、マイクロヒータ付きナノポアデバイスを作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の基盤となるマイクロヒータ付きナノポアデバイスを作製することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
残りの研究期間では、このデバイスを用いて、ヒータ通電加熱の有無によりDNAのポア通過頻度及び速度がどの程度影響を受けるか調べると共に、そうして得られる結果から2本鎖DNAの1本鎖化が起きる温度条件についても明らかにする。
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