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2014 Fiscal Year Annual Research Report

ヨーロッパトウヒ樹皮の生物活性スティルベン配糖体の局在解析と定量解析

Research Project

Project/Area Number 14F04395
Research InstitutionForestry and Forest Products Research Institute

Principal Investigator

黒田 克史  独立行政法人森林総合研究所, 木材特性研究領域, 主任研究員 (90399379)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) JYSKE Tuula Marketta  独立行政法人森林総合研究所, 木材特性研究領域, 外国人特別研究員
Project Period (FY) 2014-04-25 – 2016-03-31
Keywordsヨーロッパトウヒ / 樹皮 / スティルベン / 飛行時間型二次イオン質量分析装置 / TOF-SIMS / 凍結 / 国際研究者交流 / フィンランド
Outline of Annual Research Achievements

本課題の目的は、樹皮細胞の発達過程と機能を解明するため、ヨーロッパトウヒの樹皮成分であるスティルベン配糖体の合成と蓄積の場を細胞レベルで解明することである。
樹木細胞研究で最も難しい点は、樹木の乾燥による細胞の収縮変形や細胞中の水可溶性の成分が細胞表面等に析出するなど、実験中の水消失により立木での状態から変化することである。そこで本課題では、申請者らが共同で開発してきたCryo-TOF-SIMS/SEMシステムを用い、樹皮試料に存在する成分の局在を凍結状態を維持したまま(すなわち水を含んだまま)解析することを検討した。スティルベン配糖体のCryo-TOF-SIMS/SEM解析のためには樹皮試料で検出される多くの二次イオンスペクトルの中からスティルベン配糖体由来のピークを同定する必要がある。そこでまず、ヨーロッパトウヒで蓄積が見られた数種のスティルベン配糖体およびアグリコン標品を用いた解析を行った。各標品からは特異的な二次イオンスペクトルが得られたが、1つのピークのみで成分を特定できるものではなかった。現在、いくつかの特徴ピークを組み合わせて1つの成分を同定する試みを行っている。次に、樹皮試料のCryo-TOF-SIMS/SEMによる二次イオンスペクトルと標品のスペクトルと比較したところ、スティルベン配糖体に関連すると考えられる複数のピークが検出された。このことから、スティルベン配糖体の局在を細胞レベルで解析するという最初の目標は達成された。今後、各スティルベン配糖体およびアグリコンを分離して同定する必要がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

Cryo-TOF-SIMS/SEM解析について、樹皮試料および標品を用いた実験から目的の成分に特徴的なピークの同定を行うことができた。27年度を予定していた、乾燥試料と水を含んだ凍結試料との違いも明らかにできた。これらの結果を元に、スティルベン類として細胞レベルの蓄積挙動を解明できた。
27年3月に予定していたフィンランドでの傷処理誘導実験は試料の準備が間に合わず行うことができなかったが、27年4月から実験を開始するための準備を行った。27年4月現在、連携研究者のJyske博士がフィンランドに行き、誘導実験開始の準備を行っており、若干の遅れがあるものの予定した実験を行う準備は順調である。
以上の理由で、26年度は4ヶ月しかなかったが、おおむね順調に進展しているといえる。

Strategy for Future Research Activity

最重要の課題は、樹皮試料のCryo-TOF-SIMS/SEM解析で検出される二次イオンスペクトルの中から各種スティルベン配糖体およびそれらのアグリコン由来のピークを分離して同定することである。今後、標品で得られたいくつかの特徴ピークを組み合わせて1つの成分を同定する試みを行い、樹皮試料に適用する。これらから各種スティルベンの蓄積の様子をマッピングにより明らかにする。
申請の段階では、傷処理でスティルベン配糖体を誘導する実験を3月に行う予定であったが、試料の調達が間に合わず行うことができなかった。27年度に連携研究者のJyske博士がフィンランドに行き、誘導実験を行い試料の採取と調整を行う。得られた試料を用いてCryo-TOF-SIMS/SEM解析を行う。また、得られた試料の一部はフィンランドの研究協力者に依頼し成分分析を行う。
研究の方向性に問題はなく、今後も実験データを蓄積し、得られた結果をまとめていく。

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Phloem structure and stilbene chemistry in Picea abies as revealed by novel microtechniques2015

    • Author(s)
      Jyske, T., Kuroda, K. et al.
    • Organizer
      IAWPS2015
    • Place of Presentation
      タワーホール船堀(東京都江戸川区)
    • Year and Date
      2015-03-16 – 2015-03-17

URL: 

Published: 2016-06-01  

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