2015 Fiscal Year Annual Research Report
ヨーロッパトウヒ樹皮の生物活性スティルベン配糖体の局在解析と定量解析
Project/Area Number |
14F04395
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
黒田 克史 国立研究開発法人 森林総合研究所, 木材特性研究領域, 主任研究員 (90399379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JYSKE Tuula Marketta 国立研究開発法人 森林総合研究所, 木材特性研究領域, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | ヨーロッパトウヒ / 樹皮 / 師部 / スティルベン / TOF-SIMS / クライオ / 国際研究者交流 / フィンランド |
Outline of Annual Research Achievements |
針葉樹の樹皮は昆虫や菌の侵入に対して、構成的および誘導的に組織学的あるいは化学的な防御機構を発達させている。これまで研究からヨーロッパトウヒ樹皮にはスティルベン類が多く存在することを明らかにした。本研究は、ヨーロッパトウヒ師部におけるスティルベン類の局在のパターンを化学的情報と師部の組織構造との関係から解明することを目的として行い、以下の結果を得た。 (1)師部形成とスティルベン類の蓄積 師部形成は5月初旬に始まり、6月中旬までがもっとも盛んで軸方向柔細胞が形成されることがわかった。この時期はデンプンと非構造炭水化物量が最も多い。一方、可溶性糖は成長活性が最も高いこの時期に減少し、夏の終わりと冬に多くなった。また内樹皮の古い層においてもスティルベン類配糖体の増加は同時期に見られた。μCTによる三次元可視化の結果から、新規の軸方向柔細胞の形成は6月から8月であった。以上の結果から、一年間の師部細胞の形成過程は内樹皮における非構造炭水化物やスティルベン類の季節的な変化と連動していることが示唆された。 (2)ヨーロッパトウヒ師部内におけるスティルベン類の局在 TOF-SIMSおよびcryo-TOF-SIMSを用いた師部のスティルベン類の細胞レベルの解析から、スティルベン類は軸方向柔細胞に局在すること、新しい師部から師部中央付近までスティルベン類量が増加しさらに外側になると減少することが分かった。この傾向はGC-MSによる定量解析の結果と一致した。一方、スティルベン類の成分間で挙動の違いが見られた。組織構造の観察から、師部の外側では柔細胞の空洞化や細胞サイズの減少等の変化が見られることが分かった。そのため、このような組織構造の変化により軸方向柔細胞と放射柔細胞の連続性がなくなり、スティルベン類の合成量や合成する成分の種類が変化した可能性が考えられた。この研究は名古屋大学農学研究科福島教授らとの共同研究として行った。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)