2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14F04416
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷口 維紹 東京大学, 生産技術研究所, 特任教授 (50133616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AN JIANBO 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | HMGB1 / 炎症 / 敗血症ショック / サイトカイン / 好中球細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ERT2-Cre Hmgb1 cKOマウスを用いてLPS誘導性致死性ショックを行った。HMGB1 cKOマウスでは、早期炎症応答の特徴的症状である好中球細胞の炎症損傷部位への浸潤に減弱が認められた。つまり、細胞外HMGB1には好中球などの炎症性細胞の遊走・浸潤に機能することが示唆された。 Hmgb1 cKOにおける好中球細胞の炎症部位への集積が少ないという異常は、HMGB1を欠失させたことによる好中球細胞自体の異常であることが考えられた。そこで、野生型マウスとERT2-Cre Hmgb1 cKOの好中球細胞を骨髄から収穫し、好中球遊走に関わる遺伝子発現と細胞遊走能の検討を行った。ERT2-Cre Hmgb1 cKO由来の好中球細胞を調べたところ、HMGB1の発現量は有意に抑制されていることを確認した。しかしながら、ERT2-Cre Hmgb1 cKO由来の好中球細胞では、細胞特異的マーカー及び細胞遊走に関わるケモカイン受容体遺伝子の発現に異常は見られなかった。さらに、様々なケモカイン分子に対する細胞遊走能も正常であることが確認された。これらの結果から、ERT2-Cre Hmgb1 cKOにおける炎症性細胞の集積異常は、細胞自体の異常ではなく、やはり細胞外に放出されたHMGB1の機能によるものであると考えられた。また、致死性ショック時に産生されたHMGB1は、組換えHMGB1タンパクと構造的・機能的に異なり、特異的な修飾を受けているという知見を得た。様々な刺激によって細胞外に放出されたHMGB1タンパクは、異なる化学修飾基を持ち、これらの修飾によって、HMGB1タンパク自体の分子機能が変化することが報告されている。今後、様々な敗血症モデル、また他の炎症性疾患モデルにおいて、修飾型HMGB1が検出されるかどうか、さらに、修飾型HMGB1の生理的機能について検討を行う予定である。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)