2014 Fiscal Year Annual Research Report
主観・反射応答に関する計算論研究と人支援技術への応用
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14F04706
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 健嗣 筑波大学, システム情報系, 准教授 (30350474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHINONE Patrick 筑波大学, システム情報系, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2015-03-31
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Keywords | リハビリテーション・ロボティクス / Subjective agency / 神経リハビリテーション / 人工知能 / 心的因果 |
Outline of Annual Research Achievements |
Subjective agency (SA)とは、自らの意志で体を動かしコントロールする能力のことで、人間の知能と意識に見られる本質的特徴の一つである。一般的に、行動責任という倫理的判断、ないし自律的主体としての自己理解は、このSA概念に決定的に拠っている。しかしながら、動作主体の意志はどのようにして身体動作に影響をもたらすのか、すなわち精神-身体間の「心的因果(mental causation)」はどのようにして可能となるのかについて、包括的な哲学的説明は未だ為されていない。この状況は、現在主流の心と体を別個のものとして把握する「心身二元論」パラディグマに由来すると考えられる。心身二元論がもたらす先入観は、全ての心的能力を神経伝達メカニズムへと還元する唯物論的・自然主義的理解の一般化によって更に固定化され、身体に対して因果律を持つようないかなるSA(=「意志」)も否定される状況となりつつある。一方で昨今のリハビリテーション・ロボティクス研究に代表される医療現場では、自ら積極的に身体を動かそうとする意志の力が、神経リハビリテーションに積極的な影響を与える事実が報告されている。神経プロセスもまた心的因果に関係しているという現実を理解するためには、SAの存在を肯定し、既存の心身二元論を超えた新たな認知モデルが必要となる。本研究では、「人の前進運動」を研究対象として取り上げ、哲学(意識論・行動理論)とエンジニアリング(AI・ロボティクス)を結びつけた学際的アプローチによって、新たなSA認知モデルを考案した。このモデルは、リハビリテーション・ロボティックスのデザインに応用できるような実践的なものである。本研究によって、長きに渉って論争の的となってきた「精神-身体間の埋め難い分裂」問題への糸口が提示されるだろう。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)