2014 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症のモデル動物におけるBDNF-TrkBシグナル系の役割
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14F04711
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
橋本 謙二 千葉大学, 社会精神保健教育研究センター, 教授 (10189483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HAN Mei 千葉大学, 社会精神保健教育研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 脳神経疾患 / 脳由来神経栄養因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠期におけるウイルス感染は、生まれてきた子供の精神病の発症リスクを高めることが知られている。実験動物モデルとして、妊娠期にPolyICという化合物を投与すると、生まれた仔マウスが成熟した時点で、統合失調症と類似した症状を引き起こすことを既に報告している。一方、脳由来神経栄養因子およびその受容体であるTrkBシグナルは、精神疾患の病態に深く関わっていることが判っている。 今回、この動物モデルを用いて、TrkB作動薬である7,8-dihydroxyflavone (7,8-DHF)が精神病の発症を予防できるかを検討した。生後4週から8週間までの間に、溶媒、あるいは7,8-DHFを含む飲料水を与えた後、2週間、通常の水を与えて飼育した後、行動評価を行った。自発運動量は、すべての群で変わらなかった。PolyICを投与した母マウスから生まれた仔マウスは、認知機能障害、プレパルス抑制障害、覚せい剤投与による運動量亢進などの行動異常が観察されたが、7,8-DHFを含む飲料水を飲ませた群は、コントロール群と同様であった。これらの知見は、思春期におけるTrkB作動薬である7,8-DHFの投与が、成熟期における精神病発症を予防できる可能性を示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
来日してから5か月で、大まかな結果が出ており、順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点で、本研究計画の7割程度の実験結果が揃ったので、残り期間(7か月)で、7,8-DHFの改善作用に関わる作用メカニズムについて、生化学的手法、分子生物学的手法を用いて詳細に調べる。 さらに、帰国する10月末までに論文執筆を行う予定である。
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Research Products
(1 results)