2014 Fiscal Year Annual Research Report
共鳴イオン化分光法による不安定タングステン、オスミウム同位体の研究
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14F04735
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
和田 道治 独立行政法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, チームリーダー (50240560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
REPONEN Mikael 独立行政法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 共鳴イオン化分光 / 高融点元素 / ガスセル |
Outline of Annual Research Achievements |
タングステン、オスミウムのような高融点元素の共鳴イオン化分光の実現のために、理化学研究所加速器施設の入射核破砕片分離器のビームをガスセル中で熱化・中性化し、ガスジェットで真空中に引き出し、その中で共鳴パルスレーザーを照射して選択的にイオン化する装置の整備を行った。従来の色素レーザーにかえて、チタンサファイアレーザーを共鳴イオン化に用いるべく、ポンプレーザーからの経路整備、安全対策を行い、発信の確認まで達し、中心波長800 nmにおいて変換効率25%を得た。 予定している元素の超微細構造の分離を分光できるようにするため、新規に狭帯域のパルスチタンサファイアレーザーの設計を行った。このレーザーは、種光として超狭帯域の連続波レーザー光(連続波型チタンサファイアレーザーもしくは、レーザーダイオード)を発振器の共鳴空洞に入射し、その光子をポンプレーザー光を用いて増幅する方式であり、20MHz程度の線幅の高強度パルスレーザーが得られることが期待される。 共鳴イオン化分光実験の解析に必須である、共鳴イオン化過程をシミュレートするためのレート方程式をもとにしたソフトウエアを開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実質半年間の研究期間に、分光実験を行うためのガスセル装置の整備と、新規に製作する狭帯域パルスレーザーの設計が進んだことは、次年度への好スタートとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
より狭帯域の共鳴イオン化分光のために、入射光ロック式チタンサファイアレーザーを製作し、まずはオフラインの参照セル中で共鳴イオン化と、安定核を用いた超微細構造分離の試験を行う。その後に、加速器施設に整備しているガスセル装置と、新しいパルスレーザーを用いて目的の同位体の分光実験へと進める計画である。
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Research Products
(1 results)