2014 Fiscal Year Annual Research Report
半導体ナノ構造を用いたホットキャリア太陽電池に関する研究
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14F04767
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 至崇 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40224034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JEHL Zacharie 東京大学, 先端科学技術研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | ホットキャリア大陽電池 / 量子ドット / エネルギー選択性コンタクト / キャリア熱緩和 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ホットキャリア太陽電池の概念を利用し、高効率ナノ構造太陽電池の可能性を探究することを目的とする。これまで、熱緩和による光キャリア温度の超高速減衰、またエネルギー選択性コンタクト形成の技術的な困難といった課題から、実デバイスにおける効率向上は達成されていない。 そこで本年度は、光キャリアの熱緩和を制限するために極薄の吸収層を用いつつ、その弱い吸収を克服するためにナノフォトニクスによる新しい光トラップ法を検討した。また、量子ドット構造を用いて電子と正孔の両方に対するエネルギー選択性コンタクトを実現するための材料・構造の最適化を進めた。 (1)エネルギー選択性コンタクトの設計と作製技術の研究:半導体ナノ構造を用いてホットキャリア太陽電池に必須のエネルギー選択性コンタクトを実現するために、絶縁層に埋め込まれた量子ドットアレイを有する量子ドット構造を用いることを検討した。理想的なエネルギー選択性を有する量子ドットの実現には、適切な物質の選択とバンド構造の設計が必要不可欠である。これまでの研究により、分子線エピタキシー(MBE)法を用いた高密度量子ドット超格子の作製について技術開発が進んでおり、量子ドットサイズ揺らぎを低減させた高密度高均一な量子ドット作製を行った。また、電子へのエネルギー選択性と並行して正孔についても量子ドットを用いた検討を進めた。 (2)量子ドット構造によるエネルギー選択性コンタクトの評価:量子ドット構造を用いたエネルギー選択性コンタクトの特性評価に向けた準備を行った。特に、エネルギー選択性コンタクトを介した電子及び正孔の伝導度に着目し、高効率なホットキャリア取出しの最適化を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、量子ドット構造を用いたエネルギー選択性コンタクトの作製とホットキャリア大陽電池の実現に向けた評価を行うことを目的とする。特に、エネルギー選択性コンタクトを介した電子及び正孔の伝導度に着目し、高効率なホットキャリア取出しの最適化を図る。本年度は、数値計算を進め、量子ドット試料の作製評価に取り組んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に得られた結果を量子ドット構造の設計と作製にフィードバックし、ナノ構造の最適化を図り、ホットキャリア太陽電池に適したエネルギー選択性コンタクトの実現を目指す。
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Research Products
(1 results)