2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14F04780
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 一之 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70188291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FRITTAION Emanuele 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 数学基礎論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,現代数理論理学における研究プログラム「逆数学」において近年注目が集まっているラムジーの定理のいくつかのバリエーションに対し、Frittaionのこれまでの研究成果である部分順序の線型化に関する分析結果を踏まえ,田中とその研究グループが開発した2階算術の諸体系に対する種々の分析法を活用して,いくつかの未解決問題に取り組むことである.とくにつぎの2つのアプローチによって研究を進める.ひとつは,計算可能性理論とモデル理論を融合させたアプローチの応用.もうひとつは,ゲームを用いた分類についての考察である. 本研究は,Frittaionが2014年11月下旬に来日してスタートした.Frittaionは田中グループのセミナー等に参加して,逆数学の様々な研究手法についての知識を得,また本人のこれまでの研究をグループのセミナーで報告して,双方向の理解を深めている.さらにFrittaionは田中らと共にいくつかの研究会に参加し,研究発表もしている.具体的な成果として,ラムジーの定理の一つの特殊形である命題RT22などと,部分順序に関するエルデシュ=ラドーの定理の強さを比較検討している.また,新しい課題としては,ネーター空間を題材に位相構造と整礎順序の相互関係を逆数的に分析する研究に着手している.これについては,ネーター環に関する逆数学など東北大学のグループが行ってきた研究との関係性が見つかりつつあるが,もしそれらが直接結合できなくても,彼の研究を広げることにはつながると思われる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,Frittaionが2014年11月下旬に来日してスタートした.Frittaionは田中グループのセミナー等に参加して,逆数学の様々な研究手法についての知識を得,また本人のこれまでの研究をグループのセミナーで報告して,双方向の理解を深めている.Frittaionは田中らと共にいくつかの研究会に参加し,3月に金沢で行われた国際会議では,ラムジーの定理の様々なバージョンについてこれまで得られた成果について報告し,シンガポールからの参加者に大変高い評価を得た.まだ具体的な研究成果は得られていないが,新しい課題にも挑んでおり研究の幅を広げている.
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Strategy for Future Research Activity |
具体的な課題としては,ラムジーの定理の一バージョンである命題RT^2_2などと,部分順序に関するエルデシュ=ラドーの定理の強さを比較する研究を進めて論文にまとめる.新しい課題として,ネーター空間を題材に位相構造と整礎順序の相互関係を逆数的に分析する研究を始める.さらに,ネーター環に関する逆数学など,これまで東北大で研究されてきた話題に協力して取り組んでいく.最後に,極大鎖に関してFrittaionがかつて行った研究を一般化して,それに必要な強い公理を調べる.
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Research Products
(1 results)