2014 Fiscal Year Annual Research Report
2次元単層物質ヘテロ接合による光吸収層の第一原理計算による検討
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14F04792
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大場 史康 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90378795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BURTON Lee 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 第一原理計算 / 太陽電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
既知および仮想的な2次元構造を有する化合物半導体について,電子物性と変換効率に関する高精度かつ系統的なシミュレーションを行い,太陽電池のための新しいヘテロ接合を提案することを目指して研究を遂行した.具体的な計画は次の通りである. 1.第一原理計算による一連の物理量算出プロセスを自動化することにより,候補物質群について網羅的な物性評価を効率的に行う.得られた電子構造および光吸収係数に基づいて,エネルギー変換効率のシミュレーションを行う.これにより,変換効率を吸収層厚さの関数として系統的に算出し,その結果を参考に新規光吸収層材料の候補を決定する. 2.候補物質の熱力学的安定性および格子振動に対する動的安定性を調べる. 3.絞り込まれた候補について,さらに点欠陥形成とそれに伴うキャリア生成,ドーピング可能性を検討し,光吸収層材料としての性能を多角的に評価する.また,他の2次元構造物質との界面におけるバンドオフセットの計算を行い,太陽電池ヘテロ接合として高いポテンシャルを有する系を選定する. 当年度は,第一原理計算に基づいたスクリーニングによる候補物質の選定と構造探索および安定性の評価を行った.まずICSDデータベースに存在する多様な2次元構造をプロトタイプとして選定し,様々な元素で置換した既知および仮想的な物質について網羅的な第一原理計算による電子物性評価を行った.その際,物性評価の各プロセスを自動化し,効率的にスクリーニングを実行した.そして,得られた候補物質について,遺伝的アルゴリズムにより安定構造を再探索した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2次元構造特有の電子構造を有する物質を効率的にスクリーニングするための手法を着想でき,複数の物質を対象にその手法をテストすることができた.これにより,今後のスクリーニングを効率化できる.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き,第一原理計算に基づいたスクリーニングによる候補物質の選定と構造探索および安定性の評価を行う.その際,状態図における競合相との全エネルギーの比較を行うことで,熱力学的安定性を評価する. 得られた候補物質を対象に,エネルギー変換効率のシミュレーションを行い,光吸収層材料としての性能を評価する.その際,第一原理計算により得られた吸収係数の寄与を取り入れることにより,変換効率を吸収層厚さの関数として評価する.
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Research Products
(1 results)