2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14GS0120
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
友部 謙一 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (00227646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 彰子 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (20239065)
赤林 英夫 慶應義塾大学, 経済学部, 助教授 (90296731)
鈴木 晃仁 慶應義塾大学, 経済学部, 助教授 (80296730)
浜野 潔 関西大学, 経済学部, 教授 (40288585)
速水 融 麗澤大学, 経済学部, 教授 (40051164)
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Keywords | 暦象オーサリング / 生活危機 / データベース / 伝染病 / 生活水準 / 衛生局年報 / 人口動態統計 / 経済指標 |
Research Abstract |
本プロジェクトでは2003年度において、1)暦象オーサリング・ツール(以下、「本システム」とよぶ)の開発、2)長期データベースの構築、3)歴史探査モデルである「シナリオ(長期時系列仮説)」の構築を中心に推進してきた。 1)本システムの開発について。2003年度のシステム開発では、上記機能のうち、1)クライアント制御機能:FCRONOS利用者のPCで稼働し、暦象データを三次元で表示するブラウジング機能の改善、数量属性データの分析処理機能とその分析、2)データ管理機能:暦象データ・暦象セットデータの追加・更新・削除をユーザーレベルでおこなう機能、さらに3)ネットワーク上のサーバ管理機能を重点的に開発した。 2)つぎに、2003年度の長期データベースの構築のうち感染症領域として、内務省衛生局編『衛生局年報』を中心に、『府県統計書』も参照しながら、1897(明治30年)制定の伝染病予防法で指定された伝染病-コレラ・赤痢・腸チフス・痘瘡・発疹チフス・狸紅熱・ジフテリア・ペスト-の諸統計指標を県別に収集し、本システムに即応するデータベースとして編集した。このデータの一部を使った大阪府のペスト感染の経路分析を2002年11月に慶應義塾大学で開催されたGSECセミナーにおいてパネル報告した。また、政治経済領域として、「府県統計書」の収集ならびにデータ蓄積、明治期の統計資料として帝国地誌資料の調査・収集、明治大正期の賃金・物価ならびに戦前期の地価資料の調査・収集を行った。公益保全領域では、人口学指標と家族に関する指標作成の為に主に長野県伊那地方の人口関係史料の調査・収集を行った。 3)歴史探査モデル「シナリオ(長期時系列仮説)」の構築についてはプロジェクトテーマとしてStandard of Living and Livelihoods (SLL)を策定した。このモデルは、本システムとデータベースの最適なコラボレーションをめざすものであり、おもに明治後半から現代にいたる日本を舞台に、そこに暮らす人々の生活環境全般の突発的な危機とそれへの対応を、生活水準というコンセプトで全体的に把握し、さらにそれを獲得するまでの経路-Livelihood-を確定することを目的にしている。(KEIO-FCRONOS Working Paper Series 02-012参照)3月10日から12日にかけて、横浜においてプロジェクト内外からの研究者が参加し、それに関する研究カンファレンスを開催した。本プロジェクトのウェブサイト(http://www.fcronos.gsec.keio.ac.jp/home.html)参照。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 友部 謙一: "前工業化期日本農村における市場経済と家族経済-経済学と人類学的思考の接点から-"三田学会雑誌. 96巻1号. 1-24 (2003)
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[Publications] Makoto Sakaguchi, Ken'ichi Tomobe, Tsutomu Hirayama: "Death in the Japanese Venice : Plague and Its Control in Osaka 1905-1910"Annales de Demographie Historique, 2004. 2004(掲載予定). (2004)
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[Publications] Takeshi Nagashima, Akihito Suzuki: "Sewage Disposal and Typhoid Fever The case of Tokyo 1912-1940"Annales de Demographie Historique, 2004. 2004(掲載予定). (2004)
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[Publications] 赤林 英夫: "社会保障・税制と既婚女性の労働供給"選択の時代の社会保障(国立社会保障・人口問題研究所編)(東京大学出版会). 113-133 (2003)
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[Publications] 赤林 英夫: "学校選択と人的資本:公立高等学校通学区域の変更は大学進学率に影響を与えるか?"構造調整と労働市場:賃金・雇用構造の変化について(雇用・能力開発機構/財団法人 統計研究会). 205-220 (2003)
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[Publications] 赤林 英夫: "人的資本理論と教育"経済セミナー(日本評論社). 10月号. 16-20 (2003)
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[Publications] 浜野 潔: "近世都市の経済危機と人口-京都西陣の事例から-"関西大学経済学部論集. 第53巻第3号. 1-21 (2003)
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[Publications] Osamu Saito, Kiyoshi Hamano: "The death of the partner, remarriage and family continuation in Tokugawa Japan : a village study"Revista de Demografia Historica. (forthcoming). (2004)
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[Publications] Akihito Suzuki: "The state, family and the insane in Japan 1900-1945"The Confinement of the Insane (Cambridge University Press). 193-225 (2003)
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[Publications] Akihito Suzuki: "A brain hospital in Tokyo and its private and public patients, 1926-45"History of Psychiatry. Vo.14,No.3. 337-360 (2003)
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[Publications] Akihito Suzuki: "υχιατρικη θεραπευτικη και το κοινο στην αγγλια το δεκατο ογδοο και δεκατο ενατο αιωνα"Harvard Review of Psychiatry, Greek Edition. Vo.10,No.2. 105-108 (2003)