2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14GS0322
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
岩井 一宏 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60252459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 啓 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10159189)
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Keywords | 蛋白質 / 生体分子 / ストレス / 脳神経疾患 / 癌 |
Research Abstract |
ユビキチン修飾系は、E1(活性化酵素)/E2(結合酵素)/E3(ユビキチンリガーゼ)の3種の酵素群の働きによって標的蛋白質にユビキチンを結合させ、その機能を制御するシステムである。ユビキチン系の重要性はその選択的な基質識別能力により、E3:ユビキチンリガーゼが選択的な基質識別の中核を担うが、その識別にはリン酸化などの基質への翻訳後修飾が識別シグナルとなっている。本年度も昨年度に引き続き、研究代表者らが明らかにしてきたユビキチン化の始動シグナルである酸化修飾とそれを識別するユビキチンリガーゼ:HOIL-1、および糖鎖修飾とそれを識別するリガーゼの研究を進めた。 E3はHECT型、RING finger型の2種に大別されている。多くを占めるRING型には単体で機能するものと複合体を形成して機能するものが存在する。HOIL-1は分子量52kDのRING finger型のユビキチンリガーゼであり、一次構造からは単体で機能する可能性が示唆されるが、ゲル濾過の結果、HOIL-1は分子量600kD程度の分画に存在した。複合体の精製、マス分析の結果、HOIL-1は未知のRING finger蛋白質とヘテロ多量体を形成することを明らかにした。さらに、細胞レベルでHOIL-1トリガーゼの機能を解析することを目指し、高等真核細胞で高頻度に遺伝子組換えを生じることが知られている細胞株であるニワトリDT40細胞を用いて、HOIL-1ノックアウト細胞を作成した。現在このノックアウト細胞を用いて、酸化ストレスにおける役割など、HOIL-1について検索を進めている。 一方都立臨床研・吉田博士らと共同でSCF^<Fbx2(Fbs1)>ユビキチンリガーゼが糖鎖を選択的に識別することを示してきたが、本年度はFbs1と高い相同性を有した普遍的に発現しているFbs2(Fbx6b)が糖鎖を識別すること、異常な膜・分泌蛋白質の分解に関与することを明らかにした(Yoshida et al.JBC 278,43877-43884,2003)。さらに、Fbs1の構造解析を行い、糖鎖結合様式を明らかにした(Mizushima et al.Nat Struct Mol Biol.In press)。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yamanaka, K., et al.: "Identification of the ubiquitin-protein ligase that recognizes oxidized IRP2"Nature Cell Biology. 5. 336-340 (2003)
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[Publications] Ishida, D., et al.: "Myeloproliferative stem cell disorders by deregulated Rap1 activation in SPA-1-deficient mice."Cancer Cell. 4. 55-65 (2003)
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[Publications] Iwai K: "An ubiquitin ligase recognizing a protein oxidized by iron : implications for the turnover of oxidatively damaged proteins"J.Biochem.. 134. 175-182 (2003)
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[Publications] Yoshida, Y., et al.: "Fbs2 is a new member of the E3 ubiquitin ligase family that recognizes sugar chains."J Biol Chem.. 278. 43877-43884 (2003)
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[Publications] Meyron-Holtz EG, et al.: "Genetic ablations of iron regulatory proteins 1 and 2 reveal why iron regulatory protein 2 dominates iron homeostasis"EMBO J.. 23. 386-395 (2004)
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[Publications] Mizushima, T et al.: "Structural basis of sugar-recognizing ubiquitin ligase"Nature Structural & Molecular Biology. (In press). (2004)