2014 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストン修飾酵素の活性を検出する新規蛍光プローブの開発
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14J00565
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬場 玲輔 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | ヒストン脱アセチル化酵素 / 発蛍光プローブ / ペプチド / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ワンステップの簡便な操作でHDAC活性を蛍光検出できるプローブの開発に取り組んできた。HDACによる基質リジンの脱アセチル化により、求核性のアミノ基が生成する点に着目し、プローブK4(Ac)-CCBをデザインした。K4(Ac)-CCBは、HDACの天然基質であるヒストン由来ペプチドと、蛍光色素であるクマリン誘導体から構成されている。ペプチドには、酵素反応部位としてN末端から4番目にアセチルリジンを導入した。また、活性検出の蛍光スイッチとしてクマリンの7位のヒドロキシル基を炭酸エステル化し、酵素反応前のプローブの蛍光を消光させた。プローブの酵素活性検出原理は次の通りである。まず、K4(Ac)-CCBがHDACにより脱アセチル化されるとK4側鎖に求核性アミノ基が生成し、分子内で炭酸エステルに求核攻撃する。これにより、クマリンからアミンへエステル転移反応が進行し、消光していたクマリン誘導体の蛍光が回復すると考えた。合成したプローブにHDACを添加すると、酵素反応に続き、期待通り転移反応が進行し蛍光強度の上昇が確認された。これにより、HDAC活性を混ぜるだけのワンステップの操作で検出することが世界で初めて可能となった。 続いて、上記の分子内転移反応を用いた発蛍光スイッチの汎用性を検証するために、プローブに導入するペプチド配列長を変えた、40種類のプローブライブラリを作製した。合成したプローブすべてにおいて転移反応の進行が確認され、HDAC活性を蛍光検出することができた。さらに、検出速度の大幅な向上も達成した。 以上より、分子内エステル転移反応が汎用的な発蛍光スイッチであることを証明し、ヒストン修飾酵素の活性を従来法よりも極めて簡便に検出できるツールの開発に成功したと言える。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(2 results)