2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J00736
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐々木 洋輔 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 立ち泳ぎ / 上肢の補助運動 / 酸素摂取量 / パフォーマンス / 運動強度 |
Outline of Annual Research Achievements |
足の届かない水中環境下において水面位に体を維持するには,立ち泳ぎを行うことが必要であり,しばしば,下肢での巻き足運動とその補助的運動である上肢でのスカーリングが用いられる.これらの運動現場や指導現場においては,巻き足運動時にスカーリングを伴うことで相対的な運動強度が低くなる可能性が示唆されている.しかしながら,上肢スカーリングが巻き足運動時の呼吸循環応答及びパフォーマンスに及ぼす影響については明らかではない.そこで本研究では,幅広い運動強度において,上肢スカーリングが巻き足運動時の呼吸循環応答及びパフォーマンスに及ぼす影響を検討した.巻き足運動及び上肢スカーリングを日常的に行っている男性15名を対象に,上肢スカーリングを伴う巻き足運動と巻き足運動のみの2条件の漸増負荷運動(1セット2分間の連続運動)を行った.1セット目は,500mlサイズのペットボトルの浮き(1本あたりの浮力は約0.6 kg重)を8本被験者の体に取りつけ,浮力を増加させた状態で巻き足運動を行った.その後,セット数増加とともに浮きを2本ずつ取り外し,被験者の浮力を減少させた.自重負荷で巻き足運動を1セット行った後は,おもりを1 kg重ずつ付加して,疲労困憊に至るまで運動を継続した.実験中,被験者は肩の高さを水面位に維持し,酸素摂取量,心拍数及び最大運動負荷を測定した.その結果,1.最大下の同一運動負荷における酸素摂取量(運動強度の指標)は,ほぼ全ての同一運動負荷において巻き足運動のみより上肢スカーリングを伴う巻き足運動で低値を示し,2.最大運動負荷及び最高酸素摂取量は,巻き足運動のみより上肢スカーリングを伴う巻き足運動でそれぞれ高値を示した.以上の結果より,巻き足運動時に上肢スカーリングを用いることは,最大下強度での巻き足運動時の運動強度の軽減や,最大運動時のパフォーマンスの向上に貢献する可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度においては,巻き足運動の運動強度を軽減する(運動を楽にする)可能性のある上肢スカーリングが,最大運動強度を含む,幅広い運動強度での巻き足運動時の呼吸循環応答及びパフォーマンスに及ぼす影響を検討するという計画に基づいて着実に研究を推し進め,当該課題と関連する研究成果を国内および国際学会において発表した.また,水中巻き足運動時の呼吸循環応答を幅広い運動強度で検討するために,浮き具を用いた低強度負荷に着目し,低~最大強度までの巻き足運動時の漸増負荷テストを考案するなど,次年度以降の研究計画の遂行に向けての準備も十分にできている.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画では,超最大運動強度での巻き足運動時の呼吸循環応答について検討する予定であったが,当該課題は被験者への負担や機械が水没するリスクが大きい.そのため,標的とする運動強度を変更し,今後は浮き具を用いた低強度負荷に着目し,低~最大強度までの巻き足の漸増負荷運動時の呼吸循環応答の特性を検討することを目的として実験を行う.これまでの研究において,中~最大強度までの巻き足運動時では,中強度での巻き足運動時の呼吸応答が陸上での運動時(例.自転車運動時)の応答と異なった.このことから,当該研究課題では特に,低~中強度における換気量の変化に着目し,巻き足運動時と自転車運動時で,低~中強度の呼吸応答や,換気の閾値(通常は中強度付近にみられる)に差がみられるのかを検討する予定である.
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Research Products
(5 results)