2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J00867
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
根本 みゆき 筑波大学, 医学医療系, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 若年性認知症 / 運動 / MCI / 認知機能 / 身体機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,若年性認知症に対する運動療法の効果を検討することである.本目的を達成するために,以下の3つの研究課題を設定した.課題1:若年性認知症患者の認知機能,身体機能の特徴,若年性認知症と認知機能,身体機能との関連,課題2:若年氏絵認知症に対する運動療法の効果,課題3:若年性認知症患者の半年後の評価.本年2年目では,課題2を遂行した. 【研究課題1】若年性認知症に対するデイケア活動が認知機能,身体機能に及ぼす影響 本年度は,運動療法に特化する前段階として,若年性認知症にデイケア活動が認知機能,身体機能に及ぼす影響を老年性認知症と比較し検討したので,報告する. 2013-2015年に筑波大学附属病院精神科デイケアへ参加した37名を対象とした(データの欠損があった者40名(ベースライン~1年後のデータ欠損者),外国籍の者1名を除外).デイケアでは,運動療法の他に,芸術療法,音楽療法,知的活動などをおこなった.運動療法は,準備運動,有酸素運動,レジスタンストレーニング,ストレッチのプログラム構成でおこなった. 若年性MCI者も老年性MCI者も認知機能に有意な向上はみられなかったが,認知機能面において,MCIから認知症へのコンバート率が年間5~15%(調査により差がある)であることを鑑みると,baseline~1年後で,機能が維持できていることは介入の効果であると考えられ,非常に有益なことであると考えられる.また,身体機能面で,若年性MCI者において有意差はみられなかったが,向上傾向はみられた.運動の負荷が十分ではなかった可能性,対象人数が少なく統計解析が不十分であることが原因に考えられる.デイケアでの活動は,全体的には認知機能,身体機能に対して効果的であったといえるが,若年性MCI者に対してはプログラム,強度などを再考する必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データの収集・分析は順調であり,研究課題3の準備も進めている.これらの成果の一部を学会で発表するなど,十分な成果を残している. 研究課題2に関する検討では,例数を増やして再検討・再分析を加えるといった新たな課題も見えた.そのため,「②おおむね順調に進展している」との評価とした.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,課題3を進めていく.課題3では,若年性認知症患者の半年後の評価をおこなう予定である.課題3の遂行と同時に,課題2の例数を増やし,再検討することも計画している.また,学会発表,論文執筆も進めていく予定である.
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Research Products
(4 results)