2016 Fiscal Year Annual Research Report
新しいアクティブ標的を用いた中性子過剰原子核の構造研究
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14J00949
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古野 達也 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 不安定原子核 / アルファクラスター構造 / アルファ非弾性散乱 / アクティブ標的 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年11月に大阪大学核物理研究センターENビームラインにおいて、炭素10ビームを用いて3日間のテスト測定を実施した。実験の目的は、ENコースにおける炭素10ビームの純度および強度を確認すること、またMAIKoアクティブ標的を用いて実際に炭素10アルファ非弾性散乱事象を取得し、検出器の分解能を評価することである。実験では、核子当たり100 MeVの炭素12ビームを450 mg/cm2のベリリウム標的に照射し、核破砕反応により、核子当たり75 MeVの炭素10ビームを生成した。ENコースの2次粒子分離装置を使用した結果、純度100%, 強度100 kcpsの炭素10ビームを得ることが出来た。これは実験への要求を満たすものである。 アクティブ標的にヘリウム96%、 二酸化炭素4%のガスを500 hPaの圧力で封入し、そこへ炭素10ビームを入射させて、散乱事象の測定を行なった。 測定中はMAIKoアクティブ標的や、2016年度に新たに開発した低圧MWDC検出器が安定に動作した。また、検出器内部で散乱が起こり、反跳アルファ粒子がTPC検出器内部で止まった事象を捉えることに成功した。アルファ粒子の飛跡を解析した結果、検出した反跳アルファ粒子のエネルギーは1 MeV程度であり、これまで検出が困難であった低エネルギー反跳粒子の検出に成功した。 上記の結果は、アクティブ標的を用いることで、不安定原子核に対して前方角度での質量欠損分光が可能となることを示すものである。 現在は取得したデータの解析を行い、炭素10の励起エネルギー分解能を評価している。また、2017年10月には8日間の本測定を実施する予定である。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)