2014 Fiscal Year Annual Research Report
憲法上の平等原則の解釈について--アファーマティブ・アクションを素材に--
Project/Area Number |
14J01267
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
髙橋 正明 京都大学, 法学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2015-03-31
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Keywords | 平等原則 / 差別 / アファーマティブ・アクション / 反従属原理 / 成果主義 / 動機審査 / 多文化主義 / 多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究は、アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置。以下「AA」という。)の憲法上の位置づけ及びその違憲審査の在り方について検討した上で、日本国憲法上の平等原則の解釈論を再構成するものであった。研究内容は、交付申請書の内容に概ね即したものとなっており、大きな変更はない。研究の成果として、博士学位論文「憲法上の平等原則とアファーマティブ・アクション――アメリカの議論を手掛かりに――」を作成し、平成27年3月23日に京都大学より京都大学博士(法学)の学位を授与された。 当該論文において、まず、私は、AAの憲法上の位置づけについて検討する中で、AAの目的として差別の是正と多様性の確保が挙げられており、前者が反従属原理に、後者が多文化主義に基礎づけられることを論証した上で、反従属原理の優位性を主張した。 次に、AAの違憲審査については、AAに厳格な審査基準を用いる合衆国最高裁判例が動機審査理論及び成果主義理論に基礎づけられることを明らかにしつつ、これらの理論をAAに対して硬直的に適用することは適切ではないと主張した。 さらに、ここまでの議論を踏まえて、私は、日本国憲法上の平等原則は、社会構造上の差別の是正を要請する独自の意義を有すると解した上で、AAは社会構造上の差別の是正を求める抽象的権利を立法によって具体化した措置と理解されることから、AAに対する違憲審査については、緩やかな基準によって審査することが適切であると結論付けた。 以上の検討は当初よりも掘り下げて行われたため、研究計画において述べた、社会構造上の差別に対する司法的救済の在り方については、その検討の重要性を指摘するにとどまった。また、当該論文の成果の一部を本年度中に公表するまでには至らなかった。さらに、当該論文を執筆するために必要となった書籍等の購入に、研究費の大半が投入されることとなった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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