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2014 Fiscal Year Annual Research Report

平面共役高分子・液晶としてのキメラ分子設計とその電子機能性

Research Project

Project/Area Number 14J01480
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

井出 茉里奈  大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)

Project Period (FY) 2014-04-25 – 2017-03-31
Keywords有機薄膜太陽電池 / 導電性高分子 / 交互共重合体
Outline of Annual Research Achievements

有機薄膜太陽電池への応用を目指して、共役高分子の合成原料であるTIDGとIIDGの複合材料、Chimeraの合成ルートを確立した。アルキル鎖長の異なる側鎖の導入にも成功し、収率も最高80%まで向上した。計算により材料の最適な組み合わせを予測し、最終的に合成した5個のうち4個の共役高分子を太陽電池へ応用、変換効率は4.2%と先行研究の3倍に達した。伝導度を測定する時間分解マイクロ波伝導度測定(TRMC)法を用い、太陽電池材料の最適な混合比を検討して応用した。TRMC法によるスクリーニングで、デバイス作製にかかる時間を短縮でき、1年で4つの共役高分子の合成~評価を行った。
さらに、合成した新規の共役高分子は、先行研究にはない高い配向性を示した。配向性は高い光電変換効率を達成するための重要な要因の一つであり、化合物の組み合わせにより大きく異なる。今回は、合成した4つの共役高分子全てで従来の汎用高分子よりも高い配向性を示し、太陽電池材料に応用する際に利点となった。また、これは太陽電池材料として報告されている高分子材料の中でも上位10%に入る配向性の高さであり、他研究にはない長所といえる。この研究に関してはすでに論文を執筆しており、ジャーナルに投稿済みである。
さらに、合成した材料を他研究室で測定させていただく機会に恵まれ、過渡吸収スペクトル測定により、新たな知見も得られた。
今年の結果から、BTIDG共重合体を合成では、安定性の面で適用できる材料に制限があるため、さらなる改良が必要であるとわかった。特に、研究課題の次の予定である単一重合を達成する上で、原料の安定性は大変重要になる。一年目の結果から、より多くの合成に応用できる手法を模索している最中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の予定通り、キメラ分子の合成経路を開拓した。既報よりも収率が高く、より効率のよい経路を見出すことに成功した。また、弱いドナーと組み合わせて共重合体も合成しており、すでに太陽電池特性評価を行っている最中である。さらに、キメラ分子の合成の成功により、新たな分子の設計・合成を同時進行しており、こちらも合成経路がほぼ確定した。分子骨格が類似する化合物との性能比較・検討を加えることで、より信頼できる統計的なデータが得られる。
もう一つの軸として、有機薄膜太陽電池以外の応用である、液晶への展開を試みた。すでに5種類の液晶分子を設計しており、合成している。それぞれの分子から得られた知見を次の合成に活かしており、さらに改良を重ねている。本年度に具体的な液晶特性を得るにはいたらなかったものの、キメラ分子の液晶発現への糸口をつかんだ。

Strategy for Future Research Activity

有機薄膜太陽電池材料としてのキメラ分子は、合成経路の検討が終了したことから、今後はデバイス評価へ軸足を置く。特に、時間分解マイクロ波伝導度(TRMC)測定法などのデバイスレス評価を組み合わせることで、材料検討にかかる時間を短くかつ効率よく進める予定である。また、上記の太陽電池特性評価とともに、Field Effect Transistor(FET)による移動度測定などを組み合わせ、複合的に結果をまとめる。デバイス評価から得られたデータと、異なる測定法による細かいデータを組み合わせることで、有機薄膜太陽電池の効率向上に必要な因子を解明できると考えている。
一方の液晶分子への展開に関しては、本年度の基礎的な合成と光学特性評価からいくつかの知見を得られた。今後は、本年度の研究をベースにして、液晶の発現を目指した分子設計を行い、最終的には電気デバイスへと応用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 非対称ベンゾチエノイソインディゴ基を含む共重合体の光電変換機能2014

    • Author(s)
      井出茉里奈、佐伯昭紀、小泉美子、関修平
    • Organizer
      第75回応用物理学会秋季学術講演会
    • Place of Presentation
      北海道大学(北海道札幌市)
    • Year and Date
      2014-09-17 – 2014-09-20

URL: 

Published: 2016-06-01  

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