2016 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト型三・四分枝糖鎖の精密半合成を利用するエリスロポエチンの系統的合成
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14J01545
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真木 勇太 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 糖鎖合成 / 糖たんぱく質 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト型三分枝複合型糖鎖を半合成法によって簡便に合成し、さらに新たな糖ペプチド合成法を用いることで、三分枝及び二分枝シアリル複合型糖鎖を有するエリスロポエチンの合成に初めて成功した。 採用第二年度までに確立していた糖鎖半合成法と新規糖ペプチド合成法を用いることで、まず三分枝糖鎖を有する糖ペプチドの合成をおこなった。糖鎖アスパラギンと保護ペプチドとの縮合反応を液相で行うことで、従来のペプチド固相合成法よりも高収率で糖ペプチドを得た。 続いて、合成した三分枝糖鎖をもつ糖ペプチドと、別途合成したペプチド、二分枝糖鎖を持つ糖ペプチドとを段階的に連結し、166アミノ酸残基からなるエリスロポエチンの合成に成功した。三分枝糖鎖を持つ糖ペプチド以外のセグメントに関しては以前の報告例に従って調整し、これらを一般的なペプチド連結反応によって全長糖ポリペプチド鎖へと変換した。最後に、三次元構造を得るためのフォールディング操作によって、三分枝シアリル糖鎖を一本、二分枝シアリル糖鎖を二本持つエリスロポエチンを合成した。 本研究結果により、糖タンパク質上の糖鎖分枝の影響を調べるために必要な、糖タンパク質の合成基盤を確立することができた。糖タンパク質上の複合型糖鎖には分枝度のばらつきが見られるが、その生物的な必要性や影響ははっきりとわかっていない。これまで、二分枝糖鎖を持つ糖タンパク質は広く合成されてきたが、三分枝シアリル糖鎖をもつ糖タンパク質については合成報告例がなかった。本研究では生理活性評価までは届かなかったものの、三分枝糖鎖の簡便な半合成法を確立し、さらに三分枝糖鎖を持つエリスリポエチンの合成を達成することができた。この合成法の開発は、今後のさらなる複合糖質研究に貢献できると考えられる。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] D‐Amino Acid Scan of Two Small Proteins2016
Author(s)
Mark D. Simon, Yuta Maki, Alexander A. Vinogradov, Chi Zhang, Hongtao Yu, Yu-Shan Lin, Yasuhiro Kajihara, and Bradley L. Pentelute
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Journal Title
Journal of the American Chemical Society
Volume: 138
Pages: 12099, 12111
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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