2016 Fiscal Year Annual Research Report
バイオインスパイアード反応を利用する生物活性アルカロイドの全合成研究
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14J01780
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
只野 慎治 熊本大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | ピロリジノインドリン / 転位反応 / インドール / インドレニン |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度はプレニル化インドールアルカロイド化合物の転位反応の開発を目指し、モデル基質としてピロリジノインドリン化合物を用いて転位反応の検討を行った。具体的にはインドール環上のC3位に芳香環を有するピロリジノインドリン誘導体を基質とし、酸性条件下に伏すことでC3位からC2位へ芳香環転位反応が進行し、C2位に芳香環を有するトリプトファン誘導体が得られる反応である。溶媒効果および添加する酸の検討の結果、溶媒にジクロロメタンを選択し、メタンスルホン酸を30当量用いた際に効率的に転位反応が進行し、C3位からC2へと芳香環が転位したトリプトファン誘導体を得ることに成功した。また、詳細な条件検討の結果、添加する酸は10当量まで削減が可能であった。続いて、転位する芳香環の基質一般性の検討を行った。その結果、フェノールやアニリンといったベンゼン環を基本骨格とする誘導体のみならず、ヘテロ芳香環であるチオフェノールやインドール誘導体においても高収率で転位反応が進行し、高い基質一般性を有することが明らかとなった。以上の結果は研究実施計画に示したプレニルインドールアルカロイドの転位反応を経由する生合成仮説を示唆する結果であった。加えて、本転位反応は酸塩基反応を利用したクリーンな転位反応であり、転位生成物は原料の基質と比較して共鳴構造が拡大することにより顕著な光学特性の変化が推測されることから電子材料を始めとした材料化学分野への応用が期待される。以上、本研究は天然物に多数見られるピロリジノインドリン骨格と酸の関係性に着目した新規転位反応の開拓、および材料化学分野への応用例を示した点において極めて有意義であると考えている。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Moss Chloroplasts Are Surrounded by a Peptidoglycan Wall Containing D-Amino Acids2016
Author(s)
T. Hirano, K. Tanidokoro, Y. Shimizu, Y. Kawarabayasi, T. Ohshima, M. Sato, S. Tadano, H. Ishikawa, S. Takio, K. Takechi, H. Takano
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Journal Title
The Plant Cell
Volume: 28
Pages: 1521-1532
DOI
Peer Reviewed / Open Access