2016 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト運動制御系における最適フィードバック制御機構の実証
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14J02174
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 拓志 東京大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 腕到達運動 / 視覚運動写像 / 数理モデル / 運動プリミティブ / 至適方位 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、視覚運動写像の形状と運動学習速度の関係性について明らかにしてきた(Hayashi et al., 2016)。我々は腕到達運動課題において正確な視覚情報と運動方向の関係性(視覚運動写像)を有しているため、あらゆるターゲットへ向かってまっすぐ腕を伸ばすことができる。この視覚運動写像の形状は視覚情報のズレに適応させることで人工的に変形させることが可能である。ここでは、被験者は右上(左上)のターゲットへ到達する際、時計回り(反時計回り)のカーソルのズレが与えられ、視覚運動写像の形状を変形した。その後、前方方向での学習速度が減少することが明らかとなった。 このような運動学習動態は、神経回路網モデルを用いて再現できることが分かっている(Thoroughman and Shadmehr, 2000)。従来のモデルでは、運動学習は、各運動プリミティブの活動量に基づいて、重み付けがズレをもとに更新していくことで成立する。このモデルにおいては、各運動プリミティブの活動量は常に一定であり、これまでの結果を再現できない。 各運動プリミティブは至適方位をもち、一次運動野の神経細胞を模している。これまで、一次運動野の神経細胞の至適方位は運動学習によって回転するという知見が報告されているが(Li et al., 2001)、この至適方位の回転は従来のモデルには反映されていなかった。本研究では、至適方位の回転によって運動プリミティブの活動量が変化し、それが学習速度を変化させているのではないか、と仮説を立て検証した。数値シミュレーションの結果、視覚運動写像の変形に応じて、前方方向で疎な分布に変化した。また、この分布により学習速度が減少し、実験結果をよく再現できることが明らかとなった。以上の結果より、運動プリミティブの至適方位が動的に再構成されることで、学習速度を変化させることが示唆された。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)