2014 Fiscal Year Annual Research Report
肝発癌機構の解明を目指したエピゲノム異常蓄積とその生成機序の探索
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14J02212
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 知訓 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | DNA脱メチル化 / 肝発癌 / TET1 / TET2 / AID |
Outline of Annual Research Achievements |
DNA脱メチル化の異常と肝発癌の関連を明らかにすることを目的として、DNA脱メチル化に関わる遺伝子としてTET1・TET2・AIDに着目し、これらを肝臓で欠損・過剰発現するマウスを作成しその腫瘍発生の表現形を解析することを計画している。平成26年度は以下を中心に行った。 1. TET2の全身ノックアウトマウスは慢性骨髄単球性白血病様の骨髄腫瘍を4カ月以内という早期に発症することが知られているため、TET2の異常と肝発癌への影響を明らかとするためには、臓器特異的なTET2ノックアウトマウスの作成が必要となる。そこでまずTET2 floxedマウスをジャクソン研究所より入手した。そして入手したTET2 floxedマウスをCreマウスと交配させることで、TET2を肝臓でノックアウトしたマウスを作成した。これらのマウスについては交配が順調に進み、現在、経過観察を行っているところである。 2. TET2と同様に発癌との関わりが想定されているTET1についてもfloxedマウスを作成し、TET2 floxedマウスと組み合わせることで、臓器特異的TET1・TET1ダブルノックアウトマウスを作成することを計画している。TET1 floxedマウスは既報がないため、現在、TET1 floxedマウスの作成作業を行っているところである。 3. AIDを全身で過剰発現するAIDトランスジェニックマウスに低濃度チオアセトアミドを経口投与することにより、AIDの異常による肝発癌マウスモデルを作成した。これらのマウスを用いてまず遺伝子変異の蓄積について次世代シーケンサーを用いて網羅的に解析したところ、AIDによると思われるC to T transition変異が蓄積していることを確認した。今後は同マウスの検体を用いてDNAメチル化異常を網羅的に解析し、遺伝子変異解析の結果と統合的に検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TET2のコンディショナルノックアウトマウスは当初の予定通り順調に交配が進み、現在経過観察中である。AID異常発現による肝発癌マウスの系も既に構築できており、来年度の計画も予定通り実行できるものと期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
肝臓特異的なTET1・TET2ダブルノックアウトマウスを作成する。また、既に交配が先行している臓器特異的TET2ノックアウトマウスについて表現型の解析を順次行っていく。さらに、腫瘍組織及び非腫瘍部組織、コントロールマウスの肝臓よりDNAを抽出し、DNAメチル化異常について、ゲノムワイドに解析を行う予定である。
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Research Products
(1 results)