2015 Fiscal Year Annual Research Report
地球にやさしく高活性な水中精密重合:有機溶媒を超える水中特異的制御
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14J02628
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西澤 啓太 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | リビング重合 / ラジカル重合 / 配位子 / 水中 / ルテニウム / グアニジン / メタクリル酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
水中リビングラジカル重合は環境にやさしい高分子の精密合成法であるだけでなく、バイオコンジュゲーションなどの生化学的応用のためにも重要である。しかし、金属触媒を用いる系では水による触媒や末端の失活が起こり、多量の触媒が必要になる問題があった。近年、還元剤などとの組合せによる触媒量の低減が報告されているが、少量の主触媒のみで高い水中重合活性を示すものはなかった。これまでに、本研究員はトリエチレングリコール基を持つホスフィン配位子を導入したCp*Ru触媒が、少量でも高い水中リビング重合活性を示すことを見出していた。しかし、本触媒は水溶性が不十分でありモノマー汎用性が低いという問題があった。 そこで、より水溶性の高い触媒系の開発を目指し、ポリエチレングリコール(PEG)鎖や塩化グアニジンを有するホスフィン配位子(P-PEG, PG+)を合成し、水中重合に用いた。特にPG+を前駆体(Cp*RuCl2)nと組み合わせたルテニウム触媒は高い水溶性と活性を示し、PEGや水酸基を側鎖に持つ水溶性メタクリレートモノマーや、カチオン性モノマー(MeDMA)、生体摸倣ベタインモノマー(MPC)など幅広いモノマーの水中重合制御を達成した。また、本触媒は開始剤比1/200という極少量での水中重合制御も達成し、高い活性を持つ事がわかった。 また、メタクリル酸(MAA)は配位子のプロトン化やカルボキシレートにより重合触媒の失活を引き起こし、重合制御は困難であった。そこで、本研究員は水中でMAAを重合することで、その高い重合活性と水和によるカルボキシレート配位の抑制により、重合制御可能になるのではないかと考えた。実際に、Ru/P-PEG触媒を用いてMAAの水中単独重合を行うと、重合の進行と伴に分子量が増加し、リビング重合的挙動を示した。また、マクロ開始剤PEG-Clを用いることで、PEGとMAAのブロック共重合体の合成にも成功した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)