2014 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者施設における看取り介護：看取りケア効力感を高める教育的介入に関する研究
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14J02642
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
久保田 彩 大阪大学, 人間科学研究科, 特別研究員(DC1)
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| Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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| Keywords | 看取りケア / 終末期ケア / 自己効力感 / 高齢者施設 / 介護職員 / 教育的介入 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
近年、高齢者施設における看取りが増加傾向にある。本研究では、社会的学習理論に基づき、高齢者施設に勤務する介護職員が看取りケア実施に対して抱く自己効力感を「看取りケア効力感」として新たに概念化した。そして、研究の最終目的を、介護職員の積極的な看取りケア行動を促進するための要因である「看取りケア効力感」を維持するための教育的介入方法を開発することとした。
平成26年度は、まず、看取りケア効力感を測定する尺度の開発、及び社会的学習理論に基づく関連要因を検討することを目的として研究１を行った。高齢者施設に勤務する介護福祉士710名(男性191名、女性509 名、不明10名)を対象とした質問紙調査のデータを分析した。その結果、「看取りケア効力感尺度」の信頼性及び妥当性が確認された。また、同調査によって、社会的学習理論が仮定する4つの先行要因「達成経験」「代理経験」「言語的説得(を受ける経験)」「情動(喚起の程度)」の全てが看取りケア効力感に影響を与えること、その中でも「達成経験」が最大の影響を与えることが示された。
研究１の結果を踏まえ、研究２では高齢者施設の介護職員が看取りケアを通して得る「達成経験」の内容を明らかにすることとした。具体的には、看取りケアに関する達成の判断基準としての「目標」の現状(構造)を探索的に検討すること、及び「達成できなかったと判断する目標」やその「阻害要因(理由)」を検討することを目的とした。関西圏の高齢者対象の居住型施設に勤務する介護職員20名（男性6名、女性14名）を対象に「一番最近経験した看取りケアの提供経験」について1時間程度の半構造化面接による調査を実施した。現在、目標の構造、目標の達成度、達成の阻害要因及び促進要因のそれぞれに着目して分析を行っている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り、本年度実施予定であった、看取りケア効力感を測定する尺度の開発（研究１）及び看取りケアの達成の内容の検討（研究２）を実施した。研究１については、予定よりも早く進捗したため、本年度中に学会発表を行い、現在論文を執筆している。また、研究２の面接調査の分析については、調査実施時期の関係から、次年度も引き続き実施する予定である。また、最終年度に予定している教育的介入実施を見据え、近隣の高齢者施設において予備的な共同プロジェクトを実施した。
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| Strategy for Future Research Activity |
次年度は研究2のインタビューデータをまとめ、論文として投稿予定である。また、研究3として、研究2の結果を踏まえた質問紙調査を実施することを計画している。調査は関西圏の複数の社会福祉法人所属の施設で実施予定である。なお、質問紙調査では、研究1で作成した尺度を用いて、研究2で明らかになった「達成」に関する事項と看取りケア効力感との関連を量的データによって検討する予定である。
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