2014 Fiscal Year Annual Research Report
現代中東におけるイスラーム的NGOの即応的対応力とオルタナティブな難民支援策
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14J02652
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 麻理絵 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 中東地域研究 / イスラーム研究 / ヨルダン / 難民 / 都市/社会生態空間 / 慈善組織 / NGO/NPO / 市民社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、難民問題の最前線に立ち続けてきた現代中東の状況を踏まえた上で、伝統的イスラーム制度の最活発化の中で台頭するイスラーム的NGOの全体像を明らかにすることを目的とする。とりわけ、1970年代から顕在化したイスラーム復興の流れを汲んで登場してきた、イスラーム的NGOの展開とその実態・理念双方の実態についてフィールドワークを十分に行うことで明らかにする。そのため、本年度は長期のフィールドワークを二度実施し、一次資料の収集及びインタビュー調査に取り組んだ。ヨルダン・ハーシム王国において、中心都市と地方都市の2つの地域を調査地に選定した。一つは首都アンマンの東アンマン地区の一つBadr地区(Ḥay Nazzāl)、二つにはシリア国境に程近い北部都市Mafraqである。両地域において、イスラーム的NGOの各組織の事務所や本部に直接赴き、従事者及び受給側に対する聞き取り調査を実施した。資料収集と合わせて、組織の具体的なメカニズムについて、本部及び支部の規模とロケーション、活動の種類、財政規模、運営資金の種類、従事者及び受益者の数、受益の方法と詳細な調査を実施した。また、シリア内戦という深刻な人道危機を前に、これら組織の対応と活動の実態を中心に、聞き取りを行った。これら調査の成果を、ダラム大学(イギリス)で実施された国際ワークショップで発表した。また、一次資料の分析を加え、アジア中東学会にて口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は現地調査を二度実施し、一時資料の収集、聞き取り調査を経て、様々なデータを得ることが出来た。またそれらを発表する機会を持ち、有意義なコメントを頂いた。現在も発表と論文執筆を続け、フィールドワークと理論、一次資料の解析に基づく総合的地域研究の手法を実践している。また、新たな手法を用いて、地域の生態環境及び空間情報を処理するために、ArcGISやENVIソフトを用いて解析を進めている。今年は博士論文提出に向け、投稿論文・博士論文執筆を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
今年は博士論文提出に向け、投稿論文・博士論文執筆を進める。
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Research Products
(7 results)