2015 Fiscal Year Annual Research Report
シリホソハネカクシ亜科群における多様性と適応的形態進化史の解明
Project/Area Number |
14J02669
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 周平 九州大学, 生物資源環境科学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 化石 / 琥珀 / 古生物学 / 生物多様性 / 分子系統学 / 高次系統 / 甲虫目 / ハネカクシ |
Outline of Annual Research Achievements |
本格的にシリホソハネカクシ亜科群に関する分子実験を開始した。様々なプライマーを試すことで、成功率は未だに高いとはいえないものの、複数の領域でシーケンスを行った(28S, CAD, 18S, 16S, COI)。中でも昨年度に試験的に分子実験を行い結果が出ていなかったCADの領域に関しては解析に支障のない波形が得られつつある。しかしながら、ハネカクシ上科を網羅する系統樹作成を目標にしているため、アライメントなどを含めた各項目で良い結果が生まれない場合が多く、順番に課題を解決していく必要が生じている。 また、形態に基づくシリホソハネカクシ族の系統解析も継続して研究を行った。世界最大のハネカクシ・コレクションを有する米国シカゴのフィールド自然史博物館から解析用の標本を一式借用した。これらの標本および手元の標本を用いて、乾燥標本の写真撮影および観察を行っているほか、詳細な形態を観察するためのスライド標本作成も平行して行っている。 分類学的研究として、日本産ヒゲブトハネカクシ亜科(ヒゲブトハネカクシ属)に関する研究内容をまとめ、査読付き論文を2編発表することができた。内1編は68ページに亘る包括的な成果(モノグラフ)になった。昨年度の調査で得られた標本も当該論文中で使用している。 本年度からハネカクシの進化、起源および形態進化史に迫るため、直接的な証拠となる化石を扱う古生物学的研究を行っている。初年度でありながら論文を3編掲載することができた。特にイトヒゲニセマキムシ亜科とメダカオオキバハネカクシ亜科については、白亜紀後期のミャンマー産琥珀からそれぞれ亜科初となる化石を発見し、白亜紀研究の専門誌である「Cretaceous Research」誌上で2編の論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の間に調査で得られた資料の分析を主に行い、投稿論文の執筆に精力的に取り組んだ。これらの成果は5本の査読付き国際英文誌の論文として結実している。また、昨年度に受理されていたものの、印刷中であった同論文1編が出版された。特に今年度から取り組んでいる化石に関する成果は、白亜紀研究の専門誌である「Cretaceous Research」に2編の論文として掲載された。双方の論文は同誌のダウンロード・ランキングでそれぞれ最高で6位および同11位を獲得している。さらに、甲虫に関するこれまでの研究成果が認められ、平成27年度日本甲虫学会奨励賞を受賞するに至った。以上のことから、期待以上の進展があったとも言えるが、主研究の分子実験に関する成果がやや不調であることから、期待通りの進展があったものとみなした。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、分子実験に邁進していき、予備的な系統樹の作成を当面の目標とする。形態に基づくシリホソハネカクシ族の系統樹作成はデータの精査を進め、投稿論文の作成に着手していきたい。複数の重要なハネカクシの化石標本を所有しており、これらに基づく投稿論文の作成も併せて行う予定である。
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Remarks |
研究成果の目録などを公開している。
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Research Products
(14 results)