2014 Fiscal Year Annual Research Report
食道癌に対するハイブリッド型分子標的ペプチドを用いた新規抗癌治療薬の研究
Project/Area Number |
14J02741
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菊池 理 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 食道癌 / 化学療法 / 分子標的ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はハイブリッド型分子標的ペプチドであるEGFR-lyticペプチドの食道癌細胞株に対する有効性をin vitro, in vivoの実験系で検証し、食道癌、特に抗癌剤耐性食道癌に対する有効な治療法を確立することを目的とした。年次計画に沿って平成26年度は下記のことを明らかにした。 食道癌細胞株(TE-5, TE-8, TE-10, TE-11)のEGFR発現量、EGFR変異の有無をWestern blot法、PCR法で検討し、全ての食道癌細胞株におけるEGFRの発現を確認した。またこれらの細胞株においてEGFR-lyticペプチドが低濃度(IC50値 < 5μM)の低濃度で抗腫瘍効果を発揮することを確認した。 食道癌細胞株(TE-5, TE-11)から5-FU耐性細胞株(TE-5R, TE-11R)を樹立し、5-FU耐性を確認した。EGFR-lyticペプチドは、親株とほぼ同様に低濃度(IC50値 < 5μM)で抗腫瘍効果を発揮した。位相差顕微鏡でのタイムラプスイメージング及びLDHアッセイにより、この抗腫瘍効果の機序が細胞膜の破壊によるものであり、抗腫瘍効果が短時間(30分以内)で発揮されることを確認した。さらに、悪性度の高い癌細胞に対しても抗腫瘍効果を有することをsoft agar colony formation assayにより確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究実施計画に記載した年次計画に沿って、① EGFR発現強度の違いによる EGFR-lyticペプチドの抗腫瘍効果、② EGFR-lyticペプチドの5-FU耐性食道癌細胞株への細胞傷害性、③ 悪性度の高い食道癌細胞の足場非依存性増殖能に対するEGFR-lyticペプチドの影響、④ 食道癌細胞に対するEGFR-lyticペプチドの細胞膜傷害について、それぞれ実験を行ってハイブリッド型分子標的ペプチドのin vitroでの有効性・安全性を示すデータが得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
年次計画に基づき、平成27年度は⑤ 食道癌細胞による3D培養の実験系でのEGFR-lyticペプチドの有効性、⑥ 正常食道及び正常皮膚細胞を用いた3D培養の実験系でのEGFR-lyticペプチドの安全性、⑦ 5-FU耐性食道癌に対するIn vivoにおけるEGFR-lyticペプチドの抗腫瘍効果、⑧ EGFR-lyticペプチドをマウスの食道および他の臓器への安全性、⑨ ①~⑧の結果に基づくfirst in human試験の立案を行う。
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Research Products
(3 results)