2014 Fiscal Year Annual Research Report
キクわい化ウイロイド抵抗性起源層の特定に基づくキク合成周縁キメラ植物の作出
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14J02808
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鍋島 朋之 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 周縁キメラ / キク / ウイロイド / キク矮化ウイロイド / 抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
CSVd罹病性品種である‘ピアト’を台木、抵抗性品種である‘精の一世’あるいは‘鞠風車’を穂木として接ぎ木を行い、植物ホルモンを添加した培地上で接ぎ木癒合部から切り出した切片を培養してシュートを得た。SSRマーカーを利用して得たシュートのジェノタイピングを行ったが、キメラと判定された植物体はなかった。しかし、この過程でサイトカイニンとしてベンジルアデニンを用いた場合には‘ピアト’の、カイネチンを用いた場合には‘精の一世’あるいは‘鞠風車’のシュートが誘導されやすいことがわかった。キメラ構造を持つシュートを誘導するためにはそれぞれの品種の細胞分裂活性のバランス調製が重要であり、この知見は今後のキメラ作出に向けた実験に役立つと考えている。また、得たシュート全てからDNAを抽出する方法は非常に労力がかかるためスクリーニング方法を修正する必要があると考え、ハイグロマイシン耐性を持つ‘ピアト’と、カナマイシン耐性を持つ‘精の一世’および‘鞠風車’の形質転換体の作出に着手した。両抗生物質を含む培地上で上形質転換体間の癒合組織を培養した際に伸長するシュートは、両方の遺伝子型を持つキメラであるはずだ、という想定である。現在は形質転換体の選抜を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
周縁キメラの作出に関して、予定していた個体数を調査したが想定通りの結果が得られなかった。一方で、細胞分裂活性のバランス調製、およびスクリーニングの効率化のために形質転換体の作出に着手し、こちらは概ね期待通りに進展している。また、周縁キメラの作出と並行してアグロバクテリウムインフィルトレーション法によるCSVd接種系の開発にも取り組み、2週間程度で‘ピアト’にCSVdを感染させることに成功した。これにより、これまで接ぎ木試験で半年近くかけていたCSVd抵抗性の評価を数週間で実施できるようになった。周縁キメラ植物体を得た後には、本法によって速やかに抵抗性の評価を完了できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
形質転換体の選抜が完了した後、これを用いて引き続き周縁キメラ植物体の作出を試みる。
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Research Products
(3 results)