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2014 Fiscal Year Annual Research Report

ミトコンドリア外膜上での抗ウイルスシグナル伝達機構の構造機能解析

Research Project

Project/Area Number 14J02861
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

佐々木 理  九州大学, システム生命科学府, 特別研究員(DC1)

Project Period (FY) 2014-04-25 – 2017-03-31
Keywordsミトコンドリア / MAVS / BRET / 炎症性カスパーゼ / 自然免疫
Outline of Annual Research Achievements

真核細胞内には、核をはじめ、小胞体、ゴルジ体、ミトコンドリアなどの様々な細胞小器官(オルガネラ)が存在し、それぞれ独自に細胞の機能維持に関わっている。なかでもミトコンドリアは、外膜、および内膜と呼ばれる異なる脂質膜による二重膜構造を形成し、さらに独自のゲノム(ミトコンドリアDNA)を有するユニークなオルガネラであることが知られている。その主な生理機能として、ATP産生や脂肪酸のβ酸化など代謝活動の中心的な役割を担っており、したがって細胞内におけるエネルギープラントとも称される。ミトコンドリアはまた、細胞死(アポトーシス)においても極めて重要な役割を担っていることが知られており、さらに細胞内カルシウム濃度の調節、ステロイド、ヘム合成などにも密接に関係している。このように、ミトコンドリアは単なるエネルギー供給の場だけではなく、その役割が非常に多面的な広がりを見せていることがうかがえる。
近年、その中の一つの研究分野であるミトコンドリアを介した抗ウイルス自然免疫応答に関する研究は、近年の新型インフルエンザ問題も重なり非常に大きな注目を集めており、特にこの免疫応答時におけるキープレーヤーの一つMAVSに関して、詳細にその役割を明らかにすることは学術的に大きな意味をもつと考えられてきている。これまでに、MAVSは30種類以上におよぶタンパク質と相互作用することが明らかになっている。本研究では、生物発光現象を用いて生細胞内での分子間相互作用解析を行うことが可能なBRETシステムにより構造生物学的な解析を行い、MAVSインタラクトームの構成因子の相互作用を網羅的に解析することを目指している。
今年度は、申請書に記載したように、MAVSのポリクローナル抗体を用いたプロテオーム解析および本研究の新たな応用分野として、炎症性カスパーゼのLPS依存的な複合体形成解析を試みた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

今年度は、RNAウイルス感染、及び非感染状態におけるHEK293細胞抽出液から、抗MAVSポリクローナル抗体を用いて免疫沈降し、そのMAVS結合分子種を、九州大学内・共同利用施設(生体防御医学研究所)に質量分析測定依頼を行い、得られる結果に対してプロテオーム解析を試みた。その結果、数十種類のMAVS結合分子種を発見することができた。しかしながら、近年のMAVSおよびその活性調節因子の研究の飛躍により、様々な因子がすでに同定されており、今回のアプローチでは新規の因子の同定を行うことはできなかった。従って、今年度にてMAVSと生理的条件で結合する未知因子を同定する予定であったが、そこまで達成することができなかったため、予定よりもやや遅れているといえる。これに関しては、今回はRNAウイルスやHEK293を用いて解析を進めたが、さらに他の株を用いて同様の研究を行うことで、新規因子の同定を試みていきたいと考えている。またBRETという技術を他のタンパク質間相互作用を検出するためのツールとして多面的に用いていくことで、達成度を向上させていきたいと考えている。

Strategy for Future Research Activity

現段階として、本研究を遂行する上で、BRETを用いてMAVSと複合体形成する因子の構造的解析は、近年のミトコンドリアを介した自然免疫応答に対する研究報告の増加に伴い、新規的な報告が難しい場合が考えられるため、現在BRETが生細胞内で細胞を破砕することなくタンパク質間相互作用を解析できるという他の解析方法と異なる点に着目して、他の免疫応答シグナルタンパク質間の相互作用を解析することを試みている。
具体的には、申請書では未記載であったが、本研究にて構築したBRETシステムを応用し、LPS依存的に炎症性カスパーゼが複合体形成をする様子をBRETを用いて、生細胞内で可視化することを検討している。その結果として、non-canonicalのインフラマソーム系のシグナル経路に対して、新規の知見を提供できることが予想され、現在その方面に対するデータを収集中であり、来年度には論文として報告を行う予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] ミトコンドリア外膜上での抗ウイルスシグナル伝達機構の構造機能解析2014

    • Author(s)
      佐々木 理
    • Organizer
      第52回日本生物物理学会年会
    • Place of Presentation
      札幌コンベンションセンター
    • Year and Date
      2014-09-25 – 2014-09-29

URL: 

Published: 2016-06-01  

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