2014 Fiscal Year Annual Research Report
FoxO3aによる大腸癌幹細胞制御機構と転移・再発における役割の解明
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14J02892
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
前田 祐介 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | FoxO3a / 大腸腫瘍 / 癌幹細胞 / 浸潤 / 転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、FoxO3aによる大腸癌幹細胞制御機構と転移・再発における役割を明らかにすることを目的として、FoxO3aノックアウトマウス、ノックインマウスと腸管腫瘍マウスモデルの交配を行い、腸管腫瘍の発生や悪性化におけるFoxO3aの役割の解析を行う。 平成26年度は、すでに作製していたFoxO3aコンディショナルノックアウトマウスと腸管腫瘍マウスモデルであるApcΔ716マウスとの交配を進めた。また、すでに作製していた活性化FoxO3aとタモキシフェンレセプターの融合ベクターに、自己プロセシング開裂配列の2A配列とEGFPを融合したベクターを作製した。このベクターを用いて、FoxO3a遺伝子のExon2のATG配列以降を置換したFoxO3aノックインマウスを初めて作製した。この作製したノックインマウスを用いれば、様々な臓器において、FoxO3aの生理的な発現制御を反映させた状態で、タモキシフェン誘導的にFoxO3aの活性化を行うことが出来る。作製したノックインマウスの骨髄細胞を用いて、EGFPの発現をFACSで確認した。また、胃組織をprimary cultureし、FoxO3aが分解されずに細胞質に保存されている事、並びに、それら細胞にタモキシフェンを投与することでFoxO3aが核内移行することを確認した。腸管腫瘍における病理学的及び生化学的にin vivoで評価するためにFoxO3aノックインマウスもApcΔ716マウスとの交配を始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、FoxO3aコンディショナルノックアウトマウスの交配を進め、一定数以上のマウスを得たため、次年度に腸管腫瘍の発生や悪性化を病理学的手法と生化学的手法を用いて評価することができる。また、FoxO3aノックインマウスも当初の予定通りに作製が終了した。内在性FoxO3aプロモーター活性が低く、タモキシフェン誘導FoxO3aが発現しない場合も想定されたが、想定通りにin vivoでのノックインを確認することができた。すでに腸管腫瘍マウスモデルとの交配も開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
FoxO3aコンディショナルノックアウトマウス、ノックインマウスと腸管腫瘍マウスモデルとの交配を進める。出生直後、生後1ヶ月、生後2ヶ月など様々な条件でFoxO3aをノックアウト、ノックインし、腸管腫瘍の発生や悪性化を病理学的手法(HE染色や分化マーカーを用いた免疫染色等)と生化学的手法(幹細胞マーカーのウェスタンブロッティング法等)を用いて解析を行う。
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