2014 Fiscal Year Annual Research Report
反芳香族サーキットを利用した狭バンドギャップ大環状共役系の創製
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14J03019
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 敬晃 九州大学, 工学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2015-03-31
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Keywords | ポルフィリン / N-混乱ポルフィリン / N-フューズポルフィリン / ルテニウム / タングステン / 白金 / 狭HOMO-LUMOエネルギーギャップ / 構造転換 |
Outline of Annual Research Achievements |
N-混乱ポルフィリン(NCP)は一種のポルフィリンの異性体で、結合様式の異なるピロール環(混乱ピロール)に由来した環内炭素原子と環外窒素原子を有する。NCPはその非対称な骨格に由来した特異な性質を有する。例えば、二つの異なるNH互変異性体(2H型及び3H型)を有し、二価及び三価の配位子として機能する。また、混乱ピロールの反転、それに続く近接するピロール環との縮環により、N-フューズポルフィリン(NFP)を形成することが知られている。このようにNCPは構造転換により通常のポルフィリンとは異なる性質を示し、新たな応用を可能にしている。本研究では、NCPの(1)新規ルテニウム錯体の合成及び(2)NFPのタングステン及び白金錯体の合成に成功したので、以下に詳細を示す。(1)種々のルテニウム試薬を作用させることでNCPのσ-及びπ-配位型ルテニウム(II)錯体の合成に成功した。また、メソ位のアリル基がかさ高い場合にRuCp*(Cp*:ペンタメチルシクロペンタジエン)試薬を作用させると、Cp*の1,3位の二つのメチル炭素がNCPのメソ位に結合したN-混乱カリックスス[4]フィリンルテニウム(IV)錯体が得られた。立体障害が大きく連結部位のC-C単結合距離は、通常の単結合に比べ伸長していた。(2)NFPにWCl2O2及びPtCl2を作用させることで、NFPタングステン(V),(VI)錯体及び白金(IV)錯体の合成にそれぞれ成功した。これらの錯体は高酸化で電気陰性な金属により、その他の報告されているNFP金属錯体に比べて、狭いHOMO-LUMOエネルギーギャップを有した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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