2016 Fiscal Year Annual Research Report
初期のユダヤペルシア語の研究に基づく、近世ペルシア語形成期の言語状況について
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14J03295
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
立町 健悟 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 文献言語学 / イラン語学 / ヘブライ語学 / 初期ユダヤペルシア語 / 近世ペルシア語 / 中世ペルシア語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は中世ペルシア語から近世ペルシア語にかけての言語変化を, 初期の近世ペルシア語文献を参考として解明することが目的であり, その際に特に豊富な文献を有する初期ユダヤペルシアの研究は必要不可欠と言える。 今年度は, この本研究の基盤となる初期ユダヤペルシア語について, 特にヘブライ語との関連で研究を行った。初期ユダヤペルシア語は当時のイラン語圏におけるユダヤ人によって, ヘブライ文字で書かれた近世ペルシア語である。 この言語ではヘブライ語の語彙が用いられ, あるいはヘブライ語の文法的要素が利用されるなど, ヘブライ語の影響は無視できない。特に宗教に関する文献ではヘブライ語とペルシア語の対訳がなされるものが多く, ヘブライ語への理解が重要となる。 執筆者はそのようなヘブライ語とペルシア語の翻訳資料により, 両言語の比較を行うことが可能であることに着目し, ヘブライ語の特有の言語現象がペルシア語においてどのように反映されているか調査を行った。特にヘブライ語とペルシア語の動詞体系について研究し,ヘブライ語の動詞型(ビンヤン)がペルシア語ではどのように反映されるか調査し, その成果を学会発表の形で報告を行った。 上記のほか, 執筆者は過去に発表された文献について改訂を進めており, 旧約聖書を参照することで, 今まで未解明であった箇所を明らかにすることに成功している。この研究を通じて, 初期ユダヤペルシア語の文献をより洗練された形で提供できる。また, ペルシア語とヘブライ語という大きく異なる言語の懸隔を, 当時の話者が如何に解消したか示すことができ, 両言語が相互に及ぼした影響を明らかにするという点で極めて重要と言える。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)