2016 Fiscal Year Annual Research Report
プログラニュリン欠如に起因する神経変性疾患発症機構に関する研究
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14J03307
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
田中 良法 公益財団法人東京都医学総合研究所, 認知症・高次脳機能研究分野, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | プログラニュリン / リソソーム / 酸性化 / TDP-43 / カテプシンD / ソルチリン / カチオン非依存性マンノース6リン酸受容体 / 前頭側頭葉変性症 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度から本年度にかけて、核タンパク質TDP-43が細胞質内で界面活性剤不溶性の凝集体を形成することが特徴である前頭側頭葉変性症の原因因子プログラニュリン(PGRN)のリソソームにおける機能をヒト神経芽細胞腫であるSH-SY5Y細胞において調べた結果、PGRNがリソソームの酸性化を促進することが明らかとなった。そこで今年度はまず、他のヒト細胞でも同様の効果が認められるか確認するために、HEK293T及びHeLa細胞においてPGRNがリソソームの酸性化を促進するか確認した。HEK293T及びHeLa細胞において、PGRNの発現増加がリソソームの酸性化に与える影響を調べたところ、リソソームの酸性度はHeLa細胞、HEK293T、SH-SY5Y細胞の順に高く、細胞種による差が認められたが、いずれの細胞においてもPGRNの発現増加によってリソソームの酸性化が促進した。次に、これらの細胞において、PGRNを発現増加または減少した際に、TDP-43の不溶化に与える影響を調べたところ、HeLa細胞では、PGRNの発現によってTDP-43の不溶化に変化は認められなかったが、HEK293T細胞では、PGRNの発現が減少した際に、SH-SY5Y細胞では、PGRNの発現が増加または減少した際にTDP-43の不溶化が促進することが明らかとなった。以上のことから、リソソームの酸性度が比較的低い細胞において、PGRNの産生低下によるTDP-43蓄積が生じ易いことが示唆された。本研究の結果は、国際的な学術誌である「Human Molecular Genetics」に掲載された。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)