2014 Fiscal Year Annual Research Report
連続波ドプラフォーカシング法による頸動脈の透過イメージングに関する研究
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14J03791
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長岡 亮 東北大学, 医工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 超音波計測 / 連続波ドプラフォーカシング / 血流分布推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
第1項: 連続波ドプラフォーカシング(CEDF)法を用いた頸動脈ファントムの血管断面形状可視化の検討: 頸動脈を模擬したファントム(次項にて詳細記載)を含む基礎実験のための流路を作成した。この流路では圧力・流量・温度、超音波信号、高速カメラとも同期しており、他モダリティによって流れを定量的に計測することが可能である。提案手法によって得られた俯瞰像を他モダリティと比較を行い、計測精度を評価した。 第2項: 二分岐の頸動脈ファントム製作の検討: 総頸動脈また頸動脈の分岐部(総頸動脈より内頚動脈と外頸動脈への分岐部)を模擬したファントムを作成した。ファントムの素材としては、ポリビニルアルコールと呼ばれる合成樹脂を選択した。この合成樹脂は生体組織の硬さとよく類似したファントムを作成することが可能な材料である。製作したファントムのそれぞれを用いて、前項で述べた手法で提案手法の評価を行った。 追加項 拍動によって生じる頸動脈の変形およびその変形が伝播する波(脈波と呼ばれる)に関する検討: 本研究課題であるCWDF法では血液によって生じるドプラ偏移周波数を用いる。しかしながら、生体内では血流だけではなく、他の動き、例えば、心臓そのもの、その心臓の拍動によって生じる動きが存在する。本研究課題では、血流によるずれだけを抽出したく、他の雑音は抑制したい。そこで、本研究課題の計測対象である頸動脈の変位特性に関して検討を行った。特に、この変位の周波数に関して詳細に検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成26年度には、連続波ドプラフォーカシング法のアルゴリズム確立、評価のための実験系の開発、頸動脈を模擬したファントム作製方法の確立、頸動脈の機械的特性の4点に関して注力を行い、研究課題を進めた。交付申請書に記載した前者3点に加えて、新たな課題を自ら探し出し、さらに検討することが出来た。以上の結果より、当初の計画以上に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
当初交付申請書に申請したとおりに、アポディゼーションをサイドローブによるアーチファクトの軽減に関する検討、及び複数被験者への適用による頸動脈形態計測を行う予定である。また、追加検討事項によって得られた変位に関する情報を血流による周波数ずれとその他の動きによる周波数ずれを分離するために、フィードバックを行う予定である。これによって、CWDF法のための解析信号のS/N比を向上することが可能であると考え、これにより画像そのものの質を向上することが期待される。
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Research Products
(10 results)