2016 Fiscal Year Annual Research Report
炭質物の結晶構造進化: 炭素による地殻ダイナミクスの解明
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14J03941
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中村 佳博 新潟大学, 大学院自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 炭質物 / グラファイト / 高温高圧反応速度実験 / 顕微ラマン分光分析 / XRD / TEM |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、天然炭質物(日高変成岩・四万十付加体起源)の結晶構造進化に要する活性化体積を正確に見積もることに成功した。異なる圧力条件(0.5 GPa ~ 2.0 GPa)にてそれぞれの反応速度モデルにフィッティングすることで反応速度定数 (lnk)を決定した。そして反応速度定数と圧力に関するlog-linearプロットより-22 +/- 3.4 cm3/mol, -36+/-19.5 cm3/molの活性化体積を得た。これら負の活性化体積は、沈み込んだ炭質物は深部ほどより早く再結晶化が進行することを示唆している。さらにこの実験値を利用するこで、任意の温度圧力条件での炭質物の結晶度を計算することが可能となった。このコンター図をP-T path上で評価を行うと、10 Maの被熱時間でおおよそ500℃の変成温度を推定することでグラファイトの再結晶化が説明可能であることが明らかになった。つまり天然で一般的に観察できる天然グラファイトは、温度-圧力-被熱時間を考慮した反応速度速度論で、大部分の反応を説明できることを示唆している。この緑色片岩相での炭質物の再結晶化は、天然での報告とも調和的である。一方で活性化体積と活性化エネルギーは、どちらも反応次数が経時変化に伴い連続的に変化するトレンドを見出した。これは、各反応ごとに異なる活性化体積と活性化エネルギーを持っていることが明らかであり、実験定数の大きな誤差を生み出している要因の一つである。今後この問題を解決するためには、その場反応速度実験による実験値の高精度測定が必要である。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)