2014 Fiscal Year Annual Research Report
超小型衛星におけるビーム幅可変送信機を用いた光通信技術の構築
Project/Area Number |
14J04071
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福田 和史 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
|
Keywords | 光通信 / 超小型衛星 / ビーム幅可変光通信機 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究目的はビーム幅可変型光送信機の開発完了であるが,最重要である光学系の設計が詳細になるに連れ,達成目標が実現困難であることが明らかになり,再設計を余儀なくされたため,開発完了には至らなかった.本年度は光通信機のモジュールの開発と購入物品の評価を主に行った. 光通信機は4つのモジュールからなり,通信用のレーザ発信部,通信相手のレーザ位置を測定するレーザ受光部,衛星の擾乱をキャンセルする精追尾機構,本光送信機最大の特徴であるビーム幅可変機構から形成される.本年度はレーザ発信部,およびビーム幅可変機構の開発を行った.通信用レーザはレーザダイオードをマイコンやFPGAなどの衛星に搭載可能なコントローラで制御する必要があり,そのドライバ回路の開発やコントローラの評価を行った.またビーム幅可変機構としては中空ステッピングモータとネジ式直動機構を組み合わせた機構を提案し,実際に試作機を製作した.しかし光学系の設計が難航したため全てのモジュールの開発はできず,付随してモジュールを組み合わせての総合評価も実施できなかった.一方,通信手順のアルゴリズムの開発や通信可能性などは数値シミュレーション上で評価を行った.これによりビーム幅可変通信機が超小型衛星の光通信において有効であることを確認できた.尚,評価試験の際に所属研究室の共同研究相手である情報通信研究機構(NICT)への出張を予定していたが,試験装置を借用できたので試験は東北大学で実施した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
光通信機で最も重要である光学系(レンズなどによって構成され,通信のためのレーザなどが通る)の設計が進み,当初の見込みに反してビームの集束条件が厳しくなった.このため予定していた「市販の製品を組み合わせて安価に開発する」ことが困難となり,再設計と専門の業者に特注する必要が出てきた.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は専門業者や専門家と協議し,設計をやり直す方針である.本研究では光通信機の開発完了を達成目標としてきたが,予算や時間を考慮して,光通信機本体の完成ではなく要素技術の研究,開発に注力するかを判断する.
|
Research Products
(1 results)