2015 Fiscal Year Annual Research Report
神経上皮における細胞運命決定の研究:新規三次元可視化手法による「微小環境」解析
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14J04218
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川上 巧 名古屋大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 細胞間接触 / 免疫電顕 / ライブ観察 / 細胞運命選択 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経上皮における「微小環境」をこれまでになかった時間空間分解能をもって三次元可視化することを目的とし、以下2点の成果を上げた。 (1)分化途上細胞に発現するDeltaは隣接細胞に対して「未分化であれ」との促しをする膜結合型タンパクであることは知られているが、その細胞内(細胞膜)局在領域は特定されていなかった。そこで、Delta-Venus knockinマウスを用いてDelta-Venusに対する免疫電顕を行った結果、Deltaは脳室面近傍域の突起主軸および、その側方から伸びた葉状仮足に集中して局在していることが分かった。次に、葉状仮足の周囲への到達範囲(接触範囲)を調べるために、単一細胞の蛍光標識法と細胞膜標識法(全細胞輪郭の可視化)を組み合わせてライブ観察を行った結果、葉状仮足は最近隣の細胞および、周囲(4um範囲内)の細胞と接触していることが分かった。以上の結果から、脳室面近傍域においてDelta-Notch作用が(これまで想定されてきた)隣接細胞間だけでなく、葉状仮足を介してそれよりも広範囲で行われている可能性が示唆された。 (2)任意の娘細胞と分化途上細胞(「Delta提示細胞」)との細胞間接触を可視化するために、分化途上細胞が緑色蛍光を呈するGadd45g-d4Venusマウス由来の大脳スライスに対して細胞膜標識法を施し、三次元組織培養下でライブ観察を行う手法を開発した。その結果、誕生したばかりの娘細胞の周囲・近隣に存在する分化途上細胞(蛍光)および未分化細胞(非蛍光)の分布・配置が明らかとなり、同時に娘細胞がニュートラルな状態から「分化」へと移行する過程(非蛍光→蛍光)が観察された。以上の結果から、開発したこの手法は「運命選択」と「細胞間接触の履歴」との関係性を定量的に結びつけるための方法論として有用であると考えられる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Windkessel-like passive nucleokinesis in mammalian neuroepithelium2016
Author(s)
Tomoyasu Shinoda, Arata Nagasaka, Yasuhiro Inoue, Ryo Higuchi, Yoshiaki Minami, Kagayaki Kato, Makoto Suzuki, Takefumi Kondo, Takumi Kawaue, Kanako Saito, Naoto Ueno, Shigeo Hayashi, Masaharu Nagayama, Takashi Miura, Taiji Adachi, Yugo Fukazawa, Takaki Miyata
Organizer
NIG International Symposium 2016, Tokyo Symposium: Force, Information and Dynamics: X factors shaping living systems
Place of Presentation
東京大学生産技術研究所(東京都・駒場)
Year and Date
2016-01-09 – 2016-01-10
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