2015 Fiscal Year Annual Research Report
長石のルミネッセンスによる天体衝突過程の理解と太陽系形成史の解明
Project/Area Number |
14J04437
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鹿山 雅裕 神戸大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
|
Keywords | カソードルミネッセンス / 長石 / 火星隕石 / 月隕石 / 衝撃変成作用 / 天体衝突 / 波形分離解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
太陽系に存在する惑星や衛星の進化は天体衝突史と密接に関係しており、そのため各種隕石がこれまでに受けた衝撃変成作用を紐解くことは今日の惑星科学において重要なテーマに位置付けられている。天体の衝突過程を明らかにする上で最も重要な要素として衝撃圧力、温度およびそれらの保持時間が挙げられる。しかし現状では、これらを推定する手法は屈折率法および高圧鉱物組み合わせの二つに限られている。また、微小試料に対して非破壊で定量的に圧力を推定する手法は未だ確立されていない。申請者は数μmもの高い空間分解能を有し、特別な試料処理無しで隕石を構成する鉱物に内在する衝撃変成作用由来の構造欠陥を鋭敏に検出できるカソードルミネッセンス(CL)に注目し、新たな圧力・温度計の開発に着手した。 対象試料として、月および火星隕石に含まれる長石を選定し、そのCL分光分析から衝撃圧力および圧力保持時間に依存する青色発光を検出するに至った。同様の青色発光は地球に産する長石を対象とした一段式火薬銃およびダイヤモンドアンビルセルによる動的・静的圧縮実験の回収試料においても確認された。得られたスペクトルデータの波形分析から青色発光強度の定量化に至り、圧縮実験の回収試料において強度と圧力および保持時間に正の相関が得られた。この検量線をもとに、各種隕石に含まれる長石から得られた青色発光強度から圧力および保持時間を推定した。得られた値は、先行研究により報告されている圧力と非常に調和的であり、誤差はより少ない。また、今回初めて圧力が比較的低い試料や微小な隕石試料に対しても推定を適用するに至った。また、CL分光像と組み合わせることにより、圧力分布解析が期待される。
|
Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Research Products
(12 results)