2014 Fiscal Year Annual Research Report
機能未知のC型レクチンが認識する結核菌由来脂質の同定とその機能の解明
Project/Area Number |
14J04460
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
豊永 憲司 九州大学, 生体防御医学研究所, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
|
Keywords | C型レクチン受容体 / 結核菌 / 糖脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、機能未知のC型レクチン受容体が結核菌を認識することを見出しているが、結核菌の様々な構成成分の中で、何がリガンドなのかは不明である。当該年度は、そのリガンド同定に注力して研究を行った。 リガンド認識をGFPでモニターできるレポーター細胞を用いたこれまでの研究から、結核菌を有機溶媒にて処理し、細胞壁に含まれる脂質成分を除去した菌体では認識されなくなること、また、処理した有機溶媒中にはレポーター細胞を活性化する成分が含まれていることが明らかとなっている。そこで、この有機溶媒中に含まれるリガンドを単離するために、薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いて解析を行った。結核菌から抽出した脂質成分を TLC によって展開した後、移動度毎に分画し、レポーター細胞を用いてこれらのサブフラクションのリガンド活性を検討した。その結果、レポーター細胞を活性化させたサブフラクションがいくつか得られた。これらのサブフラクションは、オルシノールによる糖染色や、モリブデンブルーによるリン酸染色によって染色されたことから、糖やリン酸を含む脂質である可能性が示唆された。現在、この脂質成分を大量に精製しており、今後、構造解析を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規結核菌受容体の結核菌に含まれるリガンドに関して、リガンドの単離方法を確立し、現在構造を行っている。TLCでの様々な解析結果から、このリガンドは糖脂質であることが示唆されているが、これまで得られているMSやNMR解析からも、このことを支持する結果が得られている。また、この新規結核菌受容体を特異的に認識するモノクローナル抗体の樹立にも成功し、実際にこの受容体が生体においてどのような細胞に発現しているかも明らかとなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
確立したリガンド単離方法によって、リガンドを大量に精製し、構造解析や生理活性検討用のサンプルを調製する。生理活性の検討は、野生型及び新規結核菌受容体欠損マウスから得た細胞を用いて行う。炎症性サイトカインの産生や細胞表面の活性化マーカーの発現を指標にこれらを検討し、必要であればマイクロアレイ解析を行う。また、野生型マウス及び新規結核菌受容体欠損マウスを用いて結核菌感染実験を行い、この受容体の結核感染における機能を明らかにする。
|
Research Products
(2 results)