2016 Fiscal Year Annual Research Report
新規内皮細胞特異的遺伝子Sema3Gを用いた動脈硬化抑制効果の検討
Project/Area Number |
14J04473
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
北本 匠 千葉大学, 大学院医学薬学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | セマフォリン3G / 動脈硬化 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
セマフォリンは神経成長円錐に対する反発分子として同定されたガイダンス分子であるが、近年、血管新生、癌の発達そして自己免疫疾患に関与する等多彩な働きを有することが明らかになってきている。しかしながらセマフォリンの動脈硬化おける役割は十分に明らかになっていない。 本研究では、我々が同定した分泌型のセマフォリン (EMBOJ. 2006, Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2011、Sci Rep. 2016) であり、かつ血管内皮細胞に特異的に発現しているセマフォリン3G (Sema3G) に着目し、粥状動脈硬化形成における役割を解析した。まず動脈硬化のリスク因子である、肥満や糖尿病では、大動脈におけるSema3GのmRNAの発現が低下していることを明らかにした。またApoEノックアウトマウスに比較し、Sema3GとApoEのダブルノックアウトマウスでは、腹部大動脈における動脈硬化病変が増大したことから、肥満、糖尿病など動脈硬化を促進する状態では、動脈硬化抑制に働くSema3Gが低下し、その結果として、動脈硬化性病変が増大する可能性が示唆された。これらの原因を明らかにするため、in vitroの実験を行い、血管内皮細胞から分泌されるSema3Gがマクロファージの増殖を抑え、血管内皮細胞への接着を抑制することが考えられた。そしてマクロファージの移動、脂質代謝にも影響するリンパ管に対しては、Sema3Gはリンパ管形成抑制的に働くことが示唆された。すなわち我々が同定したSema3Gは血管壁局所における作用を介して動脈硬化抑制的に働くことが明らかとなった。今後は同じ分泌型であるSema3A、Sema3EとSema3Gとの関連や血管内皮細胞特異的なSema3Gのノックアウトマウス、さらにSema3Gの過剰発現による動脈硬化抑制作用などを検証する必要がある。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)