2014 Fiscal Year Annual Research Report
高機能自閉症スペクトラム障害における共感の神経基盤の解明と育成に関する研究
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14J04621
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
金山 裕介 早稲田大学, 人間科学学術院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 自閉症スペクトラム障害 / 共感 |
Outline of Annual Research Achievements |
広く社会的に発達障害が注目されるにつれ、今まで見過ごされてきた大人から診断を求めるケースも増えている。しかし、自閉症スペクトラム障害の診断においては健常とされる状態と区別しにくいレベルの人が存在し、見過ごされやすい現状がある。 そこで今後、神経生物学的なマーカーが診断に活用されていくことが必要と考えられる。自閉症スペクトラム障害の神経生物学なマーカーを明らかにすることで、1)従来の診断と組み合わせにより正診率を上げることができ、2)その個人の障害の程度から、どのレベルの対処や支援が必要なのかを補助できるのではないかと考えられる。本研究では、高機能自閉症スペクトラム障害の共感の障害について神経基盤の解明と育成を目的とした研究をすすめている。さらに、ニューロフィードバックの研究につなげ、新しい個別的な支援方法の開発の可能性を開くと考えられる。 共感の主要な障害としては、視点取得や感情への気づきといった側面があげられ、この2点についての論文の投稿を準備をしている。視点取得の研究では、より基本的な能力である視空間的視点取得が他者の心的な視点の取得と関連していることが明らかとなった。また、感情への気づきの研究では、自閉傾向と表情認知課題との関連を検討し、社会的スキルもしくは 細部への注意と表情に対する敏感性との間の関係が示唆された。共感の構成要素を明らかにしていくことにより、今後支援の枠組みが広がることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
視線追跡装置を用いた研究にて研究課題を作成し予備実験を実施し検討したが、課題の変更や計測の変更が必要になったため、研究計画がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、視点取得と感情への気づきの研究に関して論文投稿する。また、近年注目されているデフォルトモードネットワークと自閉傾向との関連をNIRSを用いて明らかにしていく予定である。さらに、デフォルトモードネットワークの変化が可能かを検討していく。
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Research Products
(1 results)