2015 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部における、Hox遺伝子による領域決定の分子メカニズムの解析
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14J04690
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北沢 太郎 東京大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 咽頭弓 / Hox / Dlx / ChIP-seq / 進化発生 |
Outline of Annual Research Achievements |
咽頭弓におけるHox遺伝子とDlx遺伝子の機能解析を行った。Hox遺伝子群は咽頭弓の前後軸に沿った位置情報を規定することがよく知られており、実際マウスにおいてHoxa2を本来Hox遺伝子ネガティブである第1咽頭弓に過剰発現させると、第1咽頭弓由来の骨格が第2咽頭弓様にホメオティックトランスフォーメションすることを昨年度までに確認してあるが、ここで顎近位部の表現型に着目するとメッケル軟骨(第1咽頭弓由来)が茎状突起(第2咽頭弓由来)の遠位部にホメオティックトランスフォーメションしている様子が観察された。これは、メッケル軟骨が明らかに第1咽頭弓の腹側由来の構造であるということを考慮すると、茎状突起の発生が第2咽頭弓背側由来(進化的には舌顎軟骨由来)であるという従来仮説に反する。茎状突起の発生学的由来をより詳細に明らかにするために、咽頭弓の背腹の情報を規定するDlx遺伝子群の変異マウスを解析したところ、茎状突起の遠位部がやはり第2咽頭弓の腹側、近位部が背側に由来することが明らかになった。以上のことは茎状突起は従来言われていた通りの舌顎軟骨のみならず、角舌軟骨からの寄与があることを強く示唆する結果となった。これは哺乳類における咽頭弓骨格の進化・発生学的理解を深めることになるとともに、咽頭弓の形態形成においてHox・Dlx遺伝子群が協調的に働いていることを明確に示唆する結果ともなった。以上の結果はDevelopmental Biologyに発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HoxとDlx遺伝子群が咽頭弓において協調的に形態形成プログラムを動かしていることが明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
Hox遺伝子群とDlx遺伝子群が形態形成プログラムを動かしている際、分子レベルでどのようにクロストークがあるのかを明らかにする。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Distinct effects of Hoxa2 overexpression in cranial neural crest populations reveal that the mammalian hyomandibular-ceratohyal boundary maps within the styloid process.2015
Author(s)
Kitazawa T, Fujisawa K, Narboux-Neme N, Arima Y, Kawamura Y, Inoue T, Wada Y, Kohro T, Aburatani H, Kodama T, Kim KS, Sato T, Uchijima Y, Maeda K, Miyagawa-Tomita S, Minoux M, Rijli FM, Levi G, Kurihara Y, Kurihara H.
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Journal Title
Developmental Biology
Volume: 402(2)
Pages: 162-174
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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